中村仁著 日本実業出版社 1680円317頁

 ツイッターという言葉は、聞かれたこともあるかと思いますが、インターネット上でのコミュニケーションツールです。ツイッターというホームページに入って、ぶつぶつと140文字以内で何かいうというだけのことですが、このぶつぶつが、日本中に広がっていて、現在日本全国で200万人以上岡山県に1万人弱の利用者がいるというたいへんな状況です。ネット上のこういったツール、ソーシャルメディアといいますが、ブログとかメルマガとかいろいろありましたが、昨年秋くらいからツイッターが爆発的に広がっています。

そして、今までのメディアと違う点は、ビジネス利用ができるということを非常にたくさんの人がいっていることです。この本の著者、中村仁さんは、東京で豚シャブの店を営んでいますが、来客数の14%が、ツイッター経由だということです。そして、その50%超が再度来店する。それは、飲食店だから、ということを思われるかもしれませんが、他の業種でも、いろいろ使われているようですし、他業種でのことを参考にした会社が成長していくことを考えると、やはり読んでみたい本のひとつです。以下、本の中のおもしろいところをかいつまんで、紹介いたします。

 飲食店では、グルナビの影響が強く、クーポンという手法で、新規客を呼び込むことができるようになったが、問題は、グルナビで来た客は、二度とお店には来てくれないということだ。飲食店で大切なのは、常連客を育てることだ。

 常連客つくりに大切なのは、密な会話とそれに要した時間の長さだ。ツイッターをそれに使う。

 大声で「来て下さい」といったり、チラシをくばったりするのは、プッシュ型のマーケティングだ。必要なのはプル型のマーケティングだ。

 ツイッターは、お客様の声を聞くことができるメディアだ。初めて不特定多数と会話することが可能になった。

 ツイッターで、お客様と会話することで、お客様を友人に変えることができる。

 今までのVIPへの流れは次のようだった

初来店→リピーター→常連さん→VIP

ツイッターで親しくなると

友達(一種のVIP)→初来店→リピーター→常連さん

 ツイッターは、クチコミ増幅装置だ:クチコミに大きな効果があることはわかっていても、クチコミを使いこなすのは、とてもむずかしいことだった。クチコミというのは、運任せだったのだ。ところが、ツイッターを、クチコミ増幅装置だと理解して、その特性を上手に使うと状況は一気に変わる。

 ツイッターには、RTという仕組みがあって、人の発言を簡単に、自分の発言と並べて発信することができる。つまり、Aさんが「この店はうまい」と発信し、BさんがそれをRTすると、Aさんの発言を見ている人だけではなく、Bさんの発言を見ている人もそれを見ることになる。だから、RTをしてもらうことが大切なのだ。そこで、RTしてもらえる発言とはどのようなものかを考え、そういった情報を提供する。RTされやすい情報は、①ニュース型:いち早く入手したもの、驚くもの②ネタ型:思わず笑ってしまうもの③考察型:すばらしい気づき、考察④お得型:お得なセールなどだ。ツイートする時間帯によっても反応は異なる。反応が多いのは、①お昼前、退社前②夕方以降③週末午前中

 時間がなくてツイッターができないというのは、ほんとうにそうなのか。重要だと思っていたらできるはずだ。ツイッターをやる時間などいくらでもできるのだ。

 ツイッターですることは、店ですることと同じだ。①お客様のいうことを聞く、理解する②お客様に興味をもつ③お客様を覚える④押し付けがましくしない⑤簡潔に表現する⑥誠意と礼儀を大事にする。うそは通じない⑦親切にする

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