竹内謙礼著 日本経済新聞出版社 1,500円+税 246頁

この本を読んでびっくりしました。きついですが、あたっているところもあります。「会社の強みと弱みを分析してみたら、見つけられるのは売上に繋がらない無意味な強みと、無限に広がり続ける弱みばかりだった」などと書いてあります。また、「自分の会社の弱みは、“小さな会社”であるということを、まずは認めなくてはならない。金もなく、時間もなく、人もいない。この現実を認めれば、自分の会社が『できること』が具体的に分かり、戦略が見えてくる」とも書いてあります。以下いくつか内容をまとめてみます。

・小さな会社には優秀な人は入ってこない:「優秀な人さえいれば」などという期待は捨ててしまわなければならない。優秀ではない社員、考えることの苦手な社員で利益を出さなければならない。限られた仕事しかできない。限られた仕事とは、あまり考えないでできることで、「続けること」「早くすること」の2点に絞られた業務だ。

例えば、小さなスーパーマーケットで働く店員に「売れる販売ポップを作って欲しい」と指示を出したとしても、売れる販売ポップはでき上がらないだろう。しかし、同じ店員に「毎日、必ずひとつ、何でもいいから販売ポップを作って欲しい」と指示を出せば、1カ月ぐらいで売場は賑やかな販売ポップでいっぱいになるはずである。「何でもいい」という条件が効果を発揮したのだ。

売れないポップで売場がいっぱいになっても仕方がないと思うかもしれない。しかし、何もしなければ売場にはポップがぜんぜんないのだ。その状態と比較しなければならない。店中にポップがあふれることで売場は活気を得るだろう。

・高く売る:小さな会社は、「安く売る」か「高く」売るか、明確な方向性を打ち出さなくてはならない。しかし、実は小さな会社は、「高く売る」という以外の選択肢はないのだ。

安いからと言って売れるわけではない。価格比較サイトでは、最安値よりも安心感のある有名サイトや購入者の評価が高い店のほうに客が流れる。福袋は、一番安い物より中間価格のものの方がよく売れる。

客は商品を購入する際に、「価格」以外のことも考慮しながら、商品を購入しているのだ。その、「価格」以外のものがなんなのかを考えなければいけない。

・客質を変える:お米のネットショップであれば、「激安 お米」という検索キーワードよりも「美味しい お米」で集めたお客の方が高い価格でお米を買ってくれる。安い物しか買わないお客から、高い物を買ってくれるお客に客質を変えていかなければいけない。また、客質は、小さな会社が大きい会社に対抗するための唯一の手段だと言ってもいい。

客質を高めるには、DMなどで既存のお客を教育する、ブログやフェイスブックで情報を発信する、などで売り手側と情報共有できる客が増えていけば、安売り以外を目的とする客も増えてくる。

・時間や健康など金で買えないものを狙え:金で買えないものは必ず高く売れる。小さな会社でもできる金では買えない商品、サービスとは何か。それは時間である。だから、時間を商品、サービスにくっつけると高く売れる。早く欲しいという客に早く売る、サービスを提供するのだ。

以上、いかがでしたか?

 

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