トニー・ブザン他著 ダイヤモンド社 2520円 311頁
マインドマップというのは、アイデアを出したり
考えをまとめたりするための技法です。
日本にも広がっていて、会社や学校などに普及しています。
著者のトニー・ブザンは、マインドマップの創始者です。
本書の第7章では、著者が工夫した
目標達成のためのシステムが述べられています。
これがなかなかおもしろく、従来の
プラン、ドゥー、チェック、アクション、
つまりPDCAでは飽き足りない人、
うまく行かなかった人にとっては、
あるいは、なんとか目標を達成したいと考える人たちには
非常に役に立つようです。
TEFCAS(テフカス)といいます。
この部分を要約して紹介します。
最初に簡単に説明すると、
まず成功のイメージをしっかりさせる。
次にそれを達成する方法をひたすら考えつくす。
次は、考えたことをやってみる。
したことを評価して、行動を調整する。
そして成功へというパターンです。
T: Trial(試行)
E: Events(実行、出来事)
F: Feedback(フィードバック)
C: Check(チェック)
A: Adjust(調整)
S: Success(成功)
です。
始めるのは、最後のSuccess、成功からです。
S:成功(Success)
成功というのは、目標のことだ。最初に、
どうなりたいのかをはっきりさせなければ
方法は決まらない。
当たり前のことだが、ここを決めるのはなかなかむずかしい。
目標を決めさえすれば、それを達成するための情報は
どんどん入ってくる。
T:試行(Trial)
この段階では、目標を達成するためのアイデアを練る。
いろいろな方法を考えなければいけない。
だから、Trial (試行)というよりは、Try-alls(全部試す)
と考えた方がよいかもしれない。
いつも考える。
入浴中、運転中、食事中。情報を探す。
入ってくる情報を利用する。目標を決めると、
入ってくる情報は多くなる。人のマネをする。
特に成功した人のマネをする。
いろいろやっていると眠っている間も
考えることができるようになる。
E:出来事(Events)
行動するのはここからだ。出来事という名前を使うのは、
特定の事象に重きを置きすぎるのを避けるためだ。
出来事は成功に向かう一つのステップにすぎず、
唯一のステップではないのだ。
目標達成のための行動は失敗することが多く、
それが唯一のステップだと思っていたら失望してしまい、
目標達成も遠のく。失敗しても、
それは多くのステップの一つにすぎないのだ。
そのため、出来事と呼ぶ。
F:フィードバック(Feedback)
出来事を評価する。
評価は、具体的、目標に関連していることが重要だ。
これは、TEFCASの中で最も難しい。
うまくいっていないときに、誤ったフィードバック、
つまりうまくいっていないにもかかわらず、
うまくいっているかのような情報がもたらされることがある。
これを避けるためには、
すべてのフィードバックは良いものだと考えること、
その情報をもたらしてくれた人を評価すること、
そして、あなたが正しいフィードバックを求めていることを
はっきりさせておくのだ。フ
ィードバックが気に入らなくても、
自己防衛的な反応をしてはいけない。
フィードバックは、目標に関連していることが重要だと書いた。
したがって、フィードバックをする人間、社員はその目標を
十分に知っておかなければならない。
経営者は、目標を明確にしなければならない。
A:調整(Adjust)
成功や目標達成に向かう最終ステップである。
行動を調整するかどうか、
調整する場合にはどう調整するのか決める。
Try-allsに戻って、いろいろな方法を
検討する必要があるかもしれない。
もしかすると、目標、つまり成功のイメージを
変える必要があるかもしれない。
以上でTEFCASの説明が終わりました。
この方法の特に優れているところは、
最初に成功のイメージをはっきりさせること、
行動のひとつを出来事としてとらえ、失敗を当たり前、
それを調整して次の行動をとることだということを
はっきりさせたことでしょう。
マインドマップは、特にTの段階、
つまりアイデアをたくさん出すときに
非常に役に立ちます。
フリーソフトもたくさんあります。
いちど試していただきたいと思います。