クリス・ギレボー著 飛鳥新社 1470円 269頁
この本は、1万円程度の資金で新しく事業を始めた人たちを取材して、彼らがどのようにして成功したか、また、成功のコツは何かについて書いてあります。
ですから、すでに事業をされているみなさんには、関係ないと考えられるかもしれません。しかし、商売の基本は同じですから、皆さまのお役に立つこともたくさんあると私は考えています。また、新しい商品や事業を起こされるときにも役に立つと思います。ということで、この本を紹介することにしました。
★価値:価値とは「人々の役に立つこと」だ。
消費者が感じる「感情的な必要性」に結びついていることだ。
売り手はよく、「私たちの商品の特徴は・・・」と語るが
客が受け取るベネフィットについて語る方がはるかに説得力がある。
★どこでも利益をつくり出す3つの戦略
①隠れた本音を掘り起こせ:人がほしいというものと、実際にほしがっているものは、たまに違う場合がある。結婚式の写真を撮るカイル・ヘップは、斬新なことで有名で、だから、顧客もありきたりのものを望んでいない。カイルはユニークなスナップ写真を撮りつつも、ありきたりの集合写真を撮ることを強く勧める。それを望んでいなかった顧客も後日郵送されてきた集合写真を見てとても喜ぶ。
②顧客をヒーローにしよう:表計算ソフトのエクセルの達人になるトレーニングをビジネスにしている人がいる。この人のトレーニングを受けた人は、複雑な業務を単純化したことで上司や同僚から認められ評価され、ヒーローになる
③人が買うものを売ろう:これは必要だろうとあなたが簡単に考えるものを、人は必要としていない。もっと頭を絞って、人が本当にほしがるものを考えるべきだ。
★顧客は誰か
「商売をするうえで、顧客は誰か?」というのは、基本的な問。
この「誰か?」は従来、年齢、住所、性別、収入で考えられた。
しかし、今では新しい分け方がある。それは、
興味、情熱、能力、価値観だ。
★ビジネスプランはA4用紙一枚に
(別紙を同封。使ってみてください)
★新作発表の手順
ハリウッド映画は公開のずっと前から予告を始める。
一般公開の日が「やっと」来るまで、まだかまだかと心待ちにしてもらえれば、キャンペーンは成功だ。積極的な予告なしではどんなにすぐれた作品でも商業的な成功の見込みは恐ろしく低くなる。これは、中小企業が新商品を発売する場合でも同じだ。ステップは次のとおり。
①まず「とにかくすごい」だけを伝える:内容は伝えない
②なぜこの商品は、顧客にとって重要かを伝える
③具体的な発売情報:発売はいつか、早期購入特典はあるのか
④さあ、発売はもうすぐです!:期待を決断に変える
⑤やった、いよいよだ:購買を促す
⑥リアルタイム情報の発信:新商品発売時にはトラブルが起きる。問題に取り組み、修正すると同時に、進行状況をオープンにする
⑦チャンスをお見逃しなく=終了期限を伝える:最後の一押し
⑧ありがとう、またお会いしましょう
他にもいっぱい使えそうなことが書いてあります。お勧めの一冊です。