ジェリー・フェファー、ロバート・I・サットン著 東洋経済新報社

企業は、業界の常識や思い込みにもっぱら頼った経営をしていて
事実はほとんど無視していると著者は述べる。

自分の周りを見回してみてもまったくそのとおりだ。
事実を見よう、あるいは見つけようという努力はあまり見られない。

もっともよく聞く思い込みは、アメと鞭だ。
社員には、業績に応じて給料を上げたり下げたりするのがよい
そうするとモチベーションがあがるというものだ。

それに関しても本書には書いてある。
答えは必ずしもそうとは限らないというものだ。
たとえば、給料の格差が大きい企業ほど業績がわるいという結果がある。

ビジネスの意思決定は往々にして希望的観測
不安、他社がやっていること、経営陣の誰かが昔やってうまくいったこと
あるいは強い思い込みに頼って行われている。

事実に基づいた経営とは、何が効果があり
何が効果がないかという動かしがたい事実を直視し
経営の中で大手を振っている「半分だけ正しい」

思い込みの危険を理解し、往々にして本当に意味のある助言よりも
大切にされる「全く間違った経営手法」を排除することだからである。

事実をさぐる方法のひとつは実験である。
あるカジノの経営者は、顧客グループを二つにわけ
ひとつには、125ドルの無料パッケージ
(無料宿泊と二人分のディナー、30ドル分の無料チップ)
他のひとつには60ドル分の無料チップのみをわたした。
業界の常識に反して、より効果的だったのは、後者だった。

業界の常識に頼ろうとすると、大体が間違っていたり不十分だったりして
ろくな結果が出ない。

他に証拠はないか、もっと広く探してみたらどうだろうかという
知識に対する姿勢こそが事実に基づいた経営を生かすための
最も大切なガイドラインだ。

経営の常識が多数登場して、批判を浴びる

・金銭的インセンティブは会社の業績をあげる
・戦略がすべてだ
・変革、イノベーションをしろ
・偉大なリーダーは組織を完全に掌握している

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