概要

お客様は何が欲しい?

お客様が何を欲しがっているのかを知るには実験が必要です。そうしなければ、お客様のニーズは決してわからない。

「ベンチャーが成功するのは、多くの場合、予想もしなかったマーケットで予想もしなかったお客様が、予想もしなかった製品やサービスを、予想もしなかった目的のために買ってくれる時だ。お客様が何を欲しがっているのかは、市場調査などではわからない。最初のコピー機が現れるまでオフィス用のコピー機が必要になるとは考えられなかったし、3Mは、工業用に開発したスコッチテープが家庭や事務所で使われるとは考えていなかった。」

こう言っているのは経営学者として有名なドラッカーです。ごくごく簡単に言い切ってしまうと、売れるか売れないかは売ってみないとわからないということでしょう。ドラッカーは、さらにこう言っています。

「なじみのない人たちに無料のサンプルを提供し、彼らがそれをいかに使うかを調べなければならない。彼らを顧客にするには製品やサービスをいかに変えるべきかを調べなければならない。・・・最大の危険は、製品やサービスが何であり、何であるべきか、いかに買われ、何のために使われるのかについて、客よりも知っていると思い込むことである。」

売れないと決めつけないで、何か新しいものを売ってみよう。売れるか売れないのかはわからないから初めは実験が必要だ。実験だから、コストを抑え、リスクの最小化を目指そう。ドラッカーはそう言っているのだと思います。(『イノベーションと企業家精神』第15章)

水産業界に新風

2013年にフーディソンという会社が誕生しました。マスコミで取り上げられることが多いようなのでご存知の方も多いかと思います。一言で言えば水産会社です。そのミッションは「世界の食をもっと楽しく」であり、まずはその第一歩として水産分野をターゲットに事業運営を行っています。

水産業というのは長期的に低落傾向のある業界です。国民1人1日当たりの摂取量を見ると平成7年魚介類96.9g肉類82.3gだったのが、平成21年には魚介類74.2g肉類82.9gとなっており、魚介類と肉類の地位が逆転しています(水産庁)。また、消費される魚介類の種類も変化しています。家庭での魚種別の鮮魚購入数量をみると、昭和40年にはアジ、イカ、サバが上位3種類を占めていましたが、平成22年は、サケ、イカ、マグロへと変化しています。一尾物の購入が減少し、切り身、刺身、干物が増加しているのです。

同社は、ITを駆使して全国の飲食店に魚を販売しています。もとより水産物は自然に左右されやすく、データ化がしにくい商材です。良くも悪くも、IT化の波を受けにくかったので同社は先駆者となることができました。

小売りの業態としてはお洒落な内外観の店舗で鮮度抜群の海鮮を販売する魚屋「サカナバッカ」を展開していましたが、さらに、丸魚専門店「おかしらや」という小規模店を展開拡大しています。店舗面積はわずか5坪です。リスクを抑えていることがわかります。

「おかしらや」は、小さく始めるという点で、前項のドラッカーの言っていることと一致しているように思います。自社でも何か小さく始められることはないでしょうか?

『トコトン使って売上を上げる!LINE@活用術』

斎藤元有輝著 
セルバ出版 1600円+税、182頁

スマホでラインを使っていらっしゃる方も大勢いらっしゃると思います。また、ラインでクーポンなどをゲットして利用されたこともあるかもしれません。本書は売る立場からラインでの売上アップを提案します。

著者は、個人を顧客とするビジネスであればどんな業種でも成果が出ると言っています。たとえば、飲食店、美容室、治療院、エステ、ネイル、スーパーなどです。また、法人向けだと、少し工夫が必要ですが、すでにブログやメルマガ、セミナーなどをしている場合には相乗効果が簡単に上がるといいます。今回は、本書の内容をかいつまんでお届けします。

以下本書から
もし、あなたが個人のお客様を対象にしてビジネスをしているなら、できるだけ早くLINE@を始めることをおすすめする。なぜなら、今一番成果が出やすいからだ。LINE@ユーザーは大勢いるが、商用に利用しているところが少ない。ユーザーは7,000万人近くいる。これがfacebookだと2,500万人くらい。ということでLINE@が圧倒的に有利だ。

LINE@の特徴は、
・一斉配信できる
・クーポンが発行できる
・クーポンの効果を計測できる
・ショップカード機能がある
・スマホ対応のホームページを持てる
・一定の使用量までは無料で使える

使い方は、一斉配信を利用して特典を告知し誘客する。顧客からの予約の受付に使うなど。

以下は成功例。
★岩盤浴サロン「さらさら」(倉敷)
同社のLINEは友達数3,000人ほど。
これは全国岩盤浴施設の中で堂々2位の友達数。倉敷市でも全業種でトップクラス。夏場になると客数が減って困っていたが、「無料で使えるなら」と軽い気持ちでLINE@を始めた。しばらくして友達数を確認すると500人を超えていた。少しは反応があるかもしれないと思い、LINE@でクーポンを一斉配信したところ、3日で30人が来店した。現在は1度送ると100人くらい来店してくれる。友達を増やすのは、スマホホームページにLINE@の友達追加ボタンを張り付けているだけ。

★エステサロン(神戸)
店主の山岡さんは、お客様とLINEでやりとりすることが増えてきたのでお店用のLINE@を始めた。現在では予約の8割がLINE経由。施術中に電話に出ることが激減した。お客様へのフォローもLINE@を使っている。ブログをよく見てもらえるようになって反応が増えた。

★治療院
一人でやっている治療院でLINE@の友達が500人を超えている。1人治療院としては全国でもトップクラス。友達が少ないときには目立った効果はなかったが、300人になった頃から一気に成果が出始めた。予約の相談が毎日のように入りだした。

運用方法
★配信頻度:月1~4回
★友達:一人でしている場合、1か月で100人がとりあえずの目標
登録の特典が必要:登録したほうがいいと思ってもらうため。
以上本書から。

LINE、自社で使えそうでしょうか?

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