デフレと高価格志向

ロイヤルホストなどを経営するロイヤルホールディングスの社長の話を日経トップリーダーの1月号から紹介いたします。団塊の世代の高価格志向が2012年、若者のデフレ志向が2016年から現れてきた。これが今後4~5年続くだろう。若者は、食事をしても、料理とセットなら200~300円前後のドリンクバーをつけない人が増えてきた。ビジネスホテルにしても少しでも安いところを探そうとしている人が増えてきた。若者層のデフレ傾向には、当社では生産性の向上で対処しようとしている。

具体的には、「付加価値向上」と「新市場開拓」で粗利を押し上げ、「効率性向上」で少ない従業員でもそれを実現できるようにする。

付加価値の向上策は、食材の安心・安全や既存店投資の活性化など多様な対策を立てている。新市場開拓では、高齢化に対応して病院や老人ホームの給食事業を拡大する。保険財政の問題で今後自己負担は増えていくだろう。そうなれば、病院食もある程度の質でないと満足されないようになってくるだろう。

効率の向上については、お客様に見えるところでは、人の手でホスピタリティーを保ち、そうではない部分では、機械化を進めて仕事の効率を進める。低成長というマクロの動きの中で、若者のデフレ志向と団塊世代の高額消費というミクロを見ながら素早く対応するということが一層重要になる。

以上です。若者はデフレ志向、団塊世代は高額消費、これがミクロ。マクロでは低成長です。
ここから、何か事業のヒントを得たいものです。

効率性向上

前述のロイヤルホールディングスの社長が、効率性の向上が重要だと指摘していました。同じくトップリーダーの1月号に参考になる記事がありましたので、紹介いたします。『長期間残業はもはや時代遅れ すぐできる残業削減策はこれだ』です。残業と効率性は関係ないのではと思われるかもしれませんが、効率性を上げることは残業削減のひとつの方法でしょう。そこで、その残業削減策を要約してみます。

・終礼

就業時間の10分前に社員全員が集合、残業予定の社員は仕事内容と予定時間を申告する

・集中タイム

午後1時半から3時までは会議、部下への指示、上司への確認を禁止。自身の業務に集中する

・仕事の見える化

社員に1日の仕事を書き出してもらい、無駄がないか丹念にチェック。会議資料の作成に8時間かけているなどの実態が明確になった。そこで、「会議資料は紙1枚」、「会議時間は30分」「社内メールでの相手の名前や挨拶の省略」など業務ルールを決めた

・先送り

会社や部署の目標に直結しない業務は先送り

・17時で帰っていいよ

定時は17時半だが、17時に仕事が終われば帰っても給料を満額払う

・残業定額制

残業してもしなくても定額で残業代を払う。残業代目当てで残業していた人が、残業してもいいことがないと知り、業務の効率を上げた。

さて、御社での効率向上にはどんな方法があるでしょうか。

『経済がわかる論点50』

みずほ総合研究所著 226頁 1,728円+税

2016年には、中国経済の失速懸念、米国の円安懸念発言で急激な円安が進み、大きな逆風が吹いた。これらの景気の減速感から、消費税増税の再延期を実施するとともに、財政出動による経済対策を策定した。これにより、実質GDPは、複数年度の合計で1.1%押し上げられるとの試算が出ている。

2017年の日本経済は、経済対策の執行が本格化することで、穏やかながら持ち直す。ただし、公的需要に依存する割合が高く、外需・民需の回復には力強さが欠けるだろう。インフレ率は1%程度にとどまり、2%の日銀目標の達成は困難だろう。
金融政策については、物価目標をできるだけ早期に実現するとの考え方を維持しつつも、金融緩和を長期化していかざるを得ないだろう。

個人消費は、2015年10~12月期に天候要因等によって大きく落ち込んで底を打ったものの、回復テンポは穏やかである。一方、雇用環境はバブル期以来の良好な状況にあり、有効求人倍率は上昇し、企業収益が過去最高水準となる中で賃上げの動きも広がっている。個人消費回復の条件は整いつつあるようにみえるが、個人消費は伸び悩んでいる。また、税・社会保険負担の増加により可処分所得も伸び悩んでいる。こうしたことから2017年の個人消費は、力強さに欠ける動きが続く。

 

『2017年 日本はこうなる』

三菱UFJリサーチ&コンサルティング編
261頁 1,728円+税

国内景気は、実質所得の増加による個人消費の改善や、海外景気の回復を受けた輸出増加によって持ち直していく。ただし、構造問題が重荷となり、そのペースは緩やかにとどまる。

構造問題の中で特に根が深いのが、人口減少、少子高齢化に歯止めがかかっていないことだ。次が、社会保障制度に対する不安である。さらに膨張する財政赤字の問題がある。

金融政策については、日銀の目標である消費者物価指数の前年比2.0%の達成は難しく、17年中も緩和状態が維持されるだろう。個人消費については、2013年半ば以降、物価が上昇に転じたことや、消費税率が引き上げられたことから実質賃金の伸び率はマイナスとなっている。家計が賃金の増加を実感することは難しかった。2015年後半から実質賃金も増加に転じたが、株価下落などから消費者マインドが滞り節約志向が強まった状態が続いており、消費ではなく貯蓄にお金がまわる状況は2017年も同様であろう。

以上です。要するに2017年も昨年と同じような状況が続くということでしょう。
大きな流れはそのようなものだとして、私たちには、この流れを変える力はありません。身近なところ、つまり、社内、そして自社とお客様との関係をどう変えていくか、新規顧客をどう獲得するか、新商品をどう作るか、既存商品の売り上げをどう伸ばすかといった点で、今まで以上に努力を積み重ねていくほかないでしょう。