概要
ふるさと納税
ふるさと納税という名前を見て、自分のふるさとに納税することだと思っている人がけっこういらっしゃるようです。
そう思ってしまうのは当然だと思いますが、ふるさと納税は、ふるさとに納税する事ではありません。
誤解を恐れず、思いっきり簡単にいうと、
タダでいろんなものがもらえるシステムです。
うさんくさいですが国のシステムで詐欺ではありません。
本来は住んでいる市町村に払う住民税を、
どこかよその市町村に寄付金として支払って、お礼の品をもらうのです。
市町村の側から言えば、税収を増やすために
市町村民以外の人からお金を集めるシステムですし、
納税者の立場から言えば、自分の住んでいる市町村以外にお金を寄付して
その地方の特産品などをお礼としてもらい、<寄付金額―2,000円>だけ、
自分の市町村に払う住民税を少なくするシステムです。
もらえる特産品が、肉、魚、野菜、米などいろいろあるのです。
ただし、一定の限度額を超えてしまうと
それ以上は住民税が減らなくなってしまいます。
雑誌などで大々的に報道されているように
ふるさと納税の限度額が二倍になりました。
計算の元は住民税で、住民税の約20%から
45%がおおよその限度額になります。
パーセンテージが高いのは所得の高い層です。
限度額の計算は、結構複雑ですが、北海道庁のものがわかりやすいでしょう。
健康経営
日経トップリーダーの7月号の特集は健康経営でした。
健康経営に取り組まず、社員が健康を害した場合のデメリットとして、次のことが書かれていました。
1.休職・退職などに伴う生産性の低下
2.ほかの社員の士気低下とさらなる退職
3.ブラック企業というイメージによる採用難
4.企業イメージの悪化に伴う顧客離れ
5.休業補償など追加コストの増大
健康経営という考えが広まったのは、労働人口の今後の減少と高齢化によって、
生産性を高めなければならない、離職率を下げるためなどの必要があるからです。
社員が病気になってしまうと、それが短期であれ長期であれ、会社はたちまち困ってしまいます。
人が足りなくなるから、仕事がきつくなる、あるいは人を採用しないといけなくなる。
でも、人はそう簡単に見つからない。
見つかってもお金が余分にかかってしまう。
また、健康状態が悪くふらふらした状態で工場に、
あるいは建築現場に立てば、労災事故の危険性が高まります。
工場外でも同様で、健康でなければよいアイデアも生まれず、
顧客への提案もうまくいかないという指摘もあります。
では、健康経営をするにはどうしたらいいのか。
現在の健康状態を把握する事。
良い物を食べ、運動し、よく眠ること。
これらのことを経営者が認識するとともに社員に伝えることが大切だと思います。
政府も中小企業のためにいろいろな施策を実施するようです。
『座らない』
トム・ラス著 新潮社 1300円+税 203頁
著者は、ビジネス・健康・経済の分野で活躍する人間行動学の専門家です。
経営者にとって健康とウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)を
促進するのは重要な仕事だ、経営者として社員の健康とウェルビーイングに
投資すれば必ず報われると著者は言います。
訳者は、本書を「活力アップで仕事を効率的に片付けつつ、幸せで充実した人生を送るための指南書」であるとしています。
それでは、おもしろいところをいくつかご紹介します。
本書の原題は、”EAT MOVE SLEEP”(食べる・動く・眠る)です。
ちょっと無理という内容もありますが、著者はそこまで気を使っているのだなと思って読んでください。
★健康的な食べ物
・良い食べ物は、濃くて鮮やかな色の青果物:ブロッコリー、ホウレン草、ケール、チンゲン菜、セロリ、キュウリ、ピーマン、ズッキーニ、リンゴ、ラズベリー、イチゴ、トマトなど。
・間食:間食したくなったら、ポテトチップス、クラッカー、エナジーバーなどはやめ、代わりに、ナッツ、ニンジン、リンゴ、セロリ、ケールチップスなどを選ぶ。
★動く、規則的な運動
・運動
規則的に運動すれば体重を減らせ、寿命を延ばすことができる。しかも、朝運動すると、1日中爽やかでいられる。何かを学んだ後に運動すると記憶力向上を促す。しっかり眠れる。
・運動するためには
短期的な目標を見つける。運動の楽しさを思い出す。20分ごとに2分歩く。1日1万歩、1週間で7万歩を目標にする。
・座るのは喫煙より体に悪い
1日6時間以上座ると早死にするリスクが大きくなる。どんなに運動しても、どんなに健康的に食べても、どんなに禁煙しても、過剰に座る習慣を改めない限りは健康問題を誘発する。1時間座るたびに活力を失い、健康を害している。だから、少しでも座っている時間を減らす努力をする。座って仕事をする人も、ときどき立ち上がる。決まった場所に立っているだけでもいい。どうしたら、座っている時間を減らせるか考える。
・歩きながら仕事をする
デスクの下に室内ランニングマシンを置いて、ウォーキングデスクを作る。歩きながら仕事をする。ウォーキングデスクが無理なら、立作業を前提にするスタンディングデスクを作る。
・テレビ
25歳以上の人は、テレビを1時間見ると寿命が22分縮む。1日4時間以上のテレビを見ていると1日2時間見るのと比べると心臓病リスクが2倍以上になる。テレビを全く見ないというのは現実的ではないだろうから、見る時間を減らす、見ながら立ち上がったり、歩いたり、ストレッチする。
★質の高い睡眠
・しっかり眠る
睡眠は宝物です。十分な睡眠が必要です。十分な睡眠は免疫力を強化する。睡眠不足は泥酔状態と同じ。一流のプロは1日に8時間36分眠る。平均的なアメリカ人は平日に6時間51分しか眠らない。米アマゾンの創始者ジェフ・ベゾス氏は、どんなに忙しくても最低8時間の睡眠を自分に課していることで知られている。
テレビを見る時間を1時間減らして、睡眠にあてる。睡眠が足りると体重が減る。体重が減ると質のよい睡眠を得られる。