概要
中小機構の「ちょこっとゼミナール」
経営者は、経営についていろいろ勉強しなければいけません。
本を読んだり、講習会に参加したり、講演会に出席したりして、実務から少し離れたところで、実務に直結する、あるいは実務には直結しないまでも、どこかで関係している知識を身に着けるのです。
ところが、日常は、いつも実務に追われていて、セミナーに参加したり、本を読んだりはなかなかできないものです。
そんな経営者にぴったりの動画があります。
「ちょこっとゼミナール」です。
中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)が作っているものです。
4分から15分くらいの動画です。
「ちょこっとゼミナール」で検索すれば出てきます。
YouTubeからも検索できますが、中小機構から入った方が分野別になっているのでわかりやすいでしょう。
動画は、次の5つのグループに分かれています。
・売上:需要を見据えた経営のための講座
・起業家のための講座
・成長・持続のための講座
・事業承継のための講座
・地域と共に生きる経営のための講座
最初の売上に関する講座には、次のようなものが含まれています。
「これならできる! スマホで顧客獲得大作戦!!」(8分12秒)
「持ってるかも マーケティングマインド」(6分52秒)
「始めてみよう クラウド活用」(9分24秒)
「やってみようよ SNS」(9分31秒)
「はじめよう ネット販売」(11分33秒)などなどです。
動画を見るのではなく、声を聴くだけでもかなりわかります。
移動しながらスマホで聞くこともできます。
ぜひ、お試しください。
PREP(ぷれっぷ)
日経トップリーダー9月号に、事務ミスゼロ大作戦という記事があります。そこで紹介されていたのが表題のPREP(ぷれっぷ)です。
記事は、「みなさんの中で何が言いたいのかわからないと指摘されたことがある人はいませんか。もしくはくどくど説明が長いと注意されたことはありませんか」という文章で始まります。
話したことを話したつもりでも、話したいことを話したかどうかが不安なので、同じことを繰り返したり、理由ばかり繰り返したりして、結論がどこにあるかわからないということがよく起こります。聞いている方では、話が長ければ、集中力が途切れ、要点が不明確になり、内容を理解することがむずかしくなります。ここで紹介されているPREPは、話をきちんと要領よく伝えるよい方法だと思います。
PREPは、英単語の頭文字を集めたものです。
P:POINT=結論
R:REASON=理由
E:EXAMPLE=具体例
P:POINT=結論
最初に自分の言いたい(P)結論を端的に述べ
次にその(R)理由を話す。
(E)具体例で補強し相手の理解を促進し
最後は再度(P)結論で締めくくる。
PREPをうまく使うために大切なことは、結論をはっきりさせておくこと、それを繰り返すことです。理由や具体例は、適切なものを適切に話すことができれば、理解を促進できますが、そうでなければ返って混乱させることもあります。
ですから、理由や具体例は、必要ですが、それにあまりこだわらず、それよりも、結論を繰り返すこと、結論をしっかりと固めておくことが大切でしょう。
『売れる人が大切にしている「売り方」の神髄』松野恵介著
著者は、マーケティング・コンサルタントです。
表紙の折り返しには「お客様のニーズを聞き出すことから、営業は始まる。しかし、これは分かっていても、なかなかできない。」とあります。どうすれば聞き出すことができるのか、その方法が本書に記されています。
以下、面白そうなところをかいつまんでお知らせいたします。
あなたが食品スーパーの仕入れ担当者だとする。
食品メーカーA社の営業の甲さん、
「今日はこだわりの商品をお持ちしました」
「今日の商品は絶品なんですよ!」
「このたびは、キャンペーンのお知らせに参りました」
どれもこれも、自分のことばかり。
今度は、B社の営業の乙さん、
「何かお役に立てるコトがないでしょうか?」
「一緒にお店が繁盛する方法を考えさせてください」
「僕たちの仕事は、スーパーを元気にすることです」
と言って根ほり葉ほり聞いてくる。
著者は、乙さんが優れていると考える。
営業とは、お客様に売り込みをするのではなく
お客様から聞き出すことが大切なのだ。
★お客様のことを知ることが大切
・お客様は誰で、なぜ来ているのか。
何を買いに来ているのか。
誰というのは、男性なのか、女性なのか
既婚なのか独身なのか、年齢層はどうなのか。
★お客様に聞くことが大事
聞く内容は次のこと。
・お客様によく聞かれること
・お客様から来る問い合わせ
・お客様との会話の中での「もっと聞かせて」
・お客様との会話の中で「勉強になった」
4つとも似ているが、少しずつ内容が違う。
このように聞き方を変えて聞くと大切なことをたくさん聞くことができる。
★アンケート
お客様に面と向かって聞きにくい、そんな時間がない、聞く機会がないなどの場合は、アンケートがおすすめ。
アンケートは、次の4部構成だ。
①キャッチコピー
②店、会社と個人の名前を出す
③アンケートをもらってよかったこと
④「よかったコト」「変化のあったコト」「喜びの声」をお願いする
①から③までは、アンケートに答えていただくための導入部。④がアンケートの本体だ。
具体的な例を挙げると、
①のキャッチコピーは、「お客様の声をお聞かせください」、「あなたの喜びの声を聞かせてください」など。
②では、「営業部 宮脇美樹です」などとし写真をつける。
③では、「このたびは、××を選んでくださりありがとうございました。ご縁をいただいたことに感謝しております。『宮脇さんにまかせてよかった』『相談して良かった』などの声をいただくと、私のパワーの源になります。これからも日々精進してまいりますので、喜びの声をお聞かせください」など、アンケートを書いていただくことを促す。
以上、少しご紹介しましたが、要するにこちらの都合で売り込むのではなくて、お客様の話をどんどん聞く、聞き出すのが営業の基本だと言っているのです。