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概要

仕入

仕入は、通常売上に比例します。
売上が10%増えれば10%くらい仕入が増えます。
もちろんそうならないことも多々ありますが、商品構成とか取引条件が変わらなければこんな感じになります。

人件費

一方、人件費は、売上が10%上がっても、10%上がることはあまりありません。
残業手当が増えたりすることはあるでしょうが、それほど大きい金額にはならないことが多いです。

変動費・固定費

仕入のように売上の増減に直結して変動するものを変動費
人件費のように売上の増減にあまり影響を受けないものを固定費といいます。

固定費は、言い方を変えると放っておいてもかかります。
この固定費をどうカバーするかが大事です。
カバーするのは、売上総利益です。
つまり、売上から仕入を引いたものです。

売上総利益=あら利益=売上―仕入

売上総利益と固定費が同額だと損益とんとん。

売上総利益=固定費 →損益なし

年間の固定費を12で割ると1月当たりの固定費が出ます。
これと同じ売上総利益を出すと、損益トントンです。

1月当たり固定費を月の営業日数、例えば25日で割れば、1日当たりの固定費が出ます。

つまり、1日当たり必要売上総利益です。
売上総利益が固定費を超えると、利益が出てきます。

今度、決算書、試算表を見るときに、こういう目で見てみましょう。

財務!小テスト

社員の意識が変わらなくてはという経営者は多いと思います。
社員99人の珍味メーカー、かね徳(芦屋市)の社長もそうでした。

以下『日経トップリーダー』「小テストで財務のトレーニング」を要約してお伝えします。

かね徳は1925年創業の老舗企業で、
「たこわさび漬け」「粒うに」などの海鮮珍味を製造し
スーパーや飲食店に販売している。

そんな老舗に激変が起きる。
2012年12月アベノミクスが始まると為替は一気に円安に傾いた。
1ドル78円台で推移していた為替が3カ月で95円前後に。
円安はかね徳には悪夢だった。
かね徳の珍味は原材料の95%が海外産、円安は仕入価額の上昇に直結する。
社長が恐る恐る試算すると2013年6月期、35億円の売上で2億円の赤字であった。
商品の値上げしかないと思ったが、営業社員に危機意識はなく、納得しない。それは、売上を社内の管理目標にしていたからだ。値下げしてたくさん売るという行動が身についていたのだ。

社員の危機意識を短期間で高めるにはどうすればいいか。
社長は、利益が出る仕組みを社員に理解させることが重要と考え、
小テストを実施することにした。たとえば次だ。

★小テスト・問題

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1,000円で販売している商品Aの価格を10%=100円値下げすると
年間の売上総利益率は何%減少しますか。
なお、値下げ前の売上総利益率は25%です。
(売上総利益率=あら利益率=(売上―仕入)÷売上)

澤根>ぜひ、やってみてください。

アイデアの神が降りてくる「3」の思考法


齋藤孝著 760円+税 214頁

「『考えろ』と言われるだけでは、なかなか頭は考えようとしない。
でも『3つ選べ』と言われると、自然と頭が動き始める」。
これは、本の袖(カバーの裏)に書かれている言葉です。
なるほどと思いましたので、今月はこの本をご紹介いたします。

★3という数字

三段跳び、心技体、真善美、守破離、洋画ベスト3、御三家、金銀銅、世界三大料理。いろんなものがある。昔から人類は3が大好きだ。

★3つ

私たちは記憶の中にある「ベストなもの」をリストアップして選んでいくとき、ざっとにせよ、全体を見ることになる。全体を俯瞰しながら、その中から候補を絞りながら最後に3つ残すということを頭の中でやっていく。

★日常生活で「3つセレクトする」習慣を

今日から「3つセレクトする」という作業を習慣づけてみよう。「今度の大型連休に遊びに行きたい場所ベスト3」「今日の夕飯に食べたい物ベスト3」などなど、なんでも3つの候補を絞り出す。頭が良い具合に温まって働きがよくなり、「思考向け」になる。セレクトするために無意識に考え、考える回路の働きがよくなる。

★3つに分類する

物事を考える上で、必要な作業の1つが分類だ。そして「3は分類でも大きなパワーを発揮する。分類ということ自体がややこしく面倒だ。そこで3に登場してもらう。とりあえず3つに分類するのだ。「絶対必要」「不要」「迷い中」くらいでいい。評価も「優」「良」「可」の3つ。ゴールまでの道のりも「3段階方式」でいくとうまくいく。ホップ・ステップ・ジャンプだ。3つの分類ならそれほど大変ではない。まず大きく3つに分類した後で、必要に応じてそれらをさらに3つに分ける。こうすると分類が容易になる。

★3つの候補を提案

販売や営業では「3つの候補を提案する」方式は鉄則だ。A、B、Cと3つおすすめを提案してもらって、そこから選ぶとなると、お客の側に主体性が生まれる。企画案、提案でもとりあえず3つ出すことが大切だ。

★プレゼンの基本構造は3部構成

1.言いたいこと、主張
2.主張を裏付ける理由や事例
3.主張のダメ押し

★プレゼンは「A、B、&C」の3本柱で理由を述べる

圧倒的な説得力を持つ強力な柱がある場合もとにかくあと2本の柱を加え3本柱にする。苦しくてもいいから、3つにする。3つ出すというスタイルが大事。

★3つの標語

さまざまな仕事をする際に「やるべきこと」「求められていること」を3つにまとめる。ひとつひとつの仕事についてもそうだし、一般的な行動原則を決めるときにも役にたつ。そして標語にするとよい。たとえば、「ほうれんそう」=報告・連絡・相談だ。「ミッション」「パッション」「ハイテンション」もいい。仕事直結では、「営業三原則」とか「接客三原則」だ。

以上かいつまんで紹介しましたが、なんとなく使えそうな気がしませんか。
何か言うとき、考えるとき、3つ言う、3つ考える、3つに分類する、何かするときは3つのステップに分ける。とりあえず、「営業三原則」「接客3原則」などを作ってみられてはいかがでしょうか?

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