菅下清廣著 かんき出版 1470円 223頁
国際金融コンサルタント、立命館アジア太平洋大学学長特別顧問である著者が、お金で後悔しない人生を送るために大切なことを書いています。その内容をかいつまんでお話しします。
今の社会はあいまいとしていて先が見えない。こういう時代は、知恵や才覚が大切だ。知的財産で富を増やすのだ。だから知的財産を増やさなければいけない。それには、いくつか方法がある。ひとつは、本をたくさん読むこと。ジャンルを限定せず、どんどん読む。次に、いろいろな人に会って話を聞く。積極的にセミナー、勉強会やパーティに参加する。また、遠くに行くのも良いことだ。
どこか遠くに行きなさい。
仕事が小さく見えてきて、
もっと全体が眺められるようになります
(レオナルド・ダ・ビンチ イタリア)
現在起こっていることは、過去にも必ず起こっている。だから経済や金融には歴史の勉強が欠かせない。デフレだって昭和の初めに起こっている。歴史を知ることによって先が見えるようになるのだ。
賢者は歴史に学び
愚者は経験に学ぶ
(オットー・フォン・ビスマルク ドイツ)
世界経済を読み解くには7つのキーワードから学ぶとよい。それは、為替、物価(デフレとインフレ)、金利、株価、GDP、BRICs、商品(コモディティ)だ。
為替
物の値段は、買いたい人が多ければ上がり、売りたい人が多ければ下がる。通貨も同じだ。円を欲しがる人が、円を処分したがる人より多ければ、円高になり、逆だと円安になる。円高になると、つまり円の価値が高いと、外国の物を安く買うことができる。円が2倍になると、輸出先での商品の価格は2倍になる。つまり、輸出には不利だ。ただし、日本が外国から輸入するものは、半分の値段になる。だから、輸入には有利だ。
為替が理解できたら、為替の動きを予想しよう。それには、チャートを見ることだ。チャートを日ごろから見ておけば未来を予測できるようになる。
物価(デフレとインフレ)
デフレは、物価が下がり続ける現象で、供給過多、需要過少である。インフレはその逆。デフレが進行すると、給料が下がり失業率も増える。過度なインフレも困る。適度なインフレがいいのだ。デフレのサインは不動産の投資信託であるREITのチャートから知ることができる。
BRICs
2001年ゴールドマンサックスは、次の10年、B:ブラジル、R:ロシア、I:インド、C:チャイナが台頭してくると予想し、まさにその通りになった。2030年には世界の株式時価総額の半分をBRICsが占める。これらに続くのはトルコとインドネシアだ。
以上のように著者は、経済的な知識や、その他の知識を身につけなさいといっています。