佐藤千恵著1470円204頁 新潮社
本書の基本は、「悩みを整理して問題にする」ことによって自分が解決できるようになるということです。そのやり方が本書で説かれています。
悩んでも悩んでも、堂々巡りをするばかりで、一向に解決の兆しが見えないとき、実は「自分では解決できない問題」について悩んでいることがよくあります。このような悩みのスパイラルに陥ってしまったときは、まず、自分が抱えている悩みを大きく2つに仕分けるのです。
・自分で解決できる問題
・自分では解決できない問題
解決不可能な悩みであった場合、解決不可能だと認識して現状を受け入れることが悩みを解決する第一歩だ。そして、次に解決できることにフォーカスする。
悩みを解決する第一歩は、なんでもいいから、「見える化」すること。文書でも箇条書きでも、殴り書きでもいいので、とにかく「書き出す」。
書き出すことで客観視することができる。
決断する時は、常に自分のことだけを一番に考えるようにするのが、将来納得のいく結果を生むのだ。
見える化のための5つの図表
① 2×2マトリックス
② 優先順位付け表
③ マジックツリー
④ シナリオ分析
⑤ ゴールピラミッド
①2×2マトリックス:多くのものの中から適当なものを選び出すときに便利。いろいろな条件の中から優先したいものを2つ選びだし、縦軸、横軸に当てはめる。たとえばスマホを選ぶ条件をPCメールの送受信とデザインとする。そうしておいて、枠の中にスマホの名前を入れていけば、両方ともできるのはAとBであることがわかり、他に選択肢があっても選ぶのは簡単になる。
②優先順位付け表:ある程度選択肢が絞られている状態で、2つ以上を比較するときに便利。選択肢を横軸に、重要項目を縦軸にとり、配点していく。点数でもよいし、○×△でもよい。例だとJAL07に判定があがる。
⑤ ゴールピラミッド:目的、目標、その実行計画を三角形の中に書き記すもの。
澤根コメント>どの図形も、慣れないと使い辛そうですが、一度使うと慣れてしまうと図形なしに頭の中で考えるのがばからしくなってしまいそうです。ここであげた3つも一度お試しいただきたいですし、頭の中のものを図に書き出す作業はぜひやっていただきたいです。