ケリー・マクゴニガル著 大和書房 1680円

 今年の目標は作られましたか?すでに作られている会社の目標の達成度はいかがでしょうか?今月紹介させていただくのは、目標を達成するにはどうすればよいのか、目の前のことにとらわれず、将来を見据えて意思決定するにはどうすればよいのかといったことについて詳細に書かれた本です。ぜひ、読んでいただきたい本の一冊です。公私で目標を設定されている方には非常に役に立つし、もし、設定されていなくても、目先のことに惑わされずに意思決定する能力を高めることができるでしょう。

 また、この本には、人がなぜ誘惑に負けるのか、どのように負けるのかということが書いてあります。ですから、これを商品やサービスを販売する側に立って考えれば、販売促進に役立つわけです。

 なお著者の講演の動画がここにあります。10分ほどですからぜひごらんください。

http://ow.ly/gCJoC

テーマを5つ抜き出して簡単に説明します。ぜひ自社の経営に、あるいは自分の目標達成に適した形に変更して、使ってください。

・二つの心があることを理解する

私たちの心のなかには2つの自己が存在する。一方の自己が目先の欲求を満たそうとするいっぽう、もう一方の自己は衝動を抑えて欲求の充足を先に延ばし、長期的な目標に従って行動する。この二つがあることを理解する。

・5分間目を閉じて呼吸に集中する

 神経科学者によるとこれをすることで、注意力、集中力、ストレス管理、衝動の抑制、自己認識といった自己コントロールのさまざまなスキルが向上する。

①椅子に座って足の裏を床にぴったりつける

②目を閉じて呼吸に意識を集中する。吸いながら「吸って」と言い、吐きながら「吐いて」と言う。

③いつのまにか、考え事をしてしまったら、意識を呼吸に戻す。

・意志力はトレーニングできる

意志力は筋肉と同じように鍛えることができる。ある大学の心理学チームは、成人40名を対象に実験を行った。その内容は、①利き手でない方の手を、利き手であるかのように使う②汚いことばを使わない。「ウン」ではなく「はい」を使う、だった。これで意志力は強化された。何かをするときに「難しい方を選ぶ」ことで、意志力が鍛えられる。課題がささいなことであるほどうまくいく。

・失敗したとき、自分を慰める

世の中の常識に反することだが、数々の研究では、自己批判はつねにモチベーションの低下や自己コントロールの低下を招くとしている。これに対し、自分への思いやりー自分を励まし、自分にやさしくすることーは、やる気の向上や自制心の強化につながる。罪悪感を抱くよりも自分を許すほうが責任感が増す。自分を許すことで失敗から立ち直れる理由のひとつは、自分を許すことによって恥の意識や苦しみに苛まれることなく、事実をありのままに見つめられるようになることだ。

良い状況よりも悪い状況を考える

しなければいけないこと、目標を達成したらどうなるのかを予想することによって、目標達成の確率はあがる。しかし、目標を達成できなかったらどうなるのかを考えた方が、成功の確率は高い。