根本重之著

 日本経済新聞社 1470円 234頁

「総人口の減少により日本の国内市場は縮小していく。こうしたところで成長を続けるために、すでに多くの企業が経営資源を海外にシフトしている。」本書の冒頭の文章です。そして、「国内市場を耕す手を緩めることがあってはならない」と続きます。国内市場を耕す方向性を著者は教えてくれます。以下、ご紹介します。

★基本的な考え方

・新しいことを始める

・自分をマクロにつないでおく:忙しい企業人はどうしても目の前の仕事に追われ、マクロ的な動向から切り離された状態になってしまう。マクロ的というのは、国家や社会レベルの大きな動きのことだ。マクロ的な動向から切り離されると、視野が狭まり、新しい行動を促すような発想が出てこなくなる。

・時を味方にする:マクロに自分をつなぐことで、タイミングの良い企画を立てる。

・「会社」の仕事を通じて「社会」に貢献する

★人口の推移―2010年⇒2020年

人口3.1%減少

0~14歳人口13.5%減少

15~64歳人口10.2%減少

65歳以上22.5%増加

(澤根コメント:単純に考えてみます。14歳以下の顧客を対象にしている商品の売上は、他の状況が変わらなければ、13.5%減少するということです。他も一緒です。)

★高齢化進行によって伸びる市場を積極的に開拓する

・見やすさ使いやすさに配慮し、需要を再度掘り起こす

・加齢による新たな需要を取り込む:年を取ると老眼鏡が必要になり、シワ、シミが気になる。そういった顧客にとっての新しい需要を取り込む

・健康と若さの維持を支援するための商品を改良:食品、運動

・キョウヨウとキョウイク:「今日用事がある、今日行くところがある」が、退職後の生活には必要になってくる。それに対処するサービス商品。

・年金受給日に合わせた販売戦略を立てる

★雪マジ!19プロジェクト

スキー場業界の市場規模は1992年をピークに20年縮小し続け、売り上げがピーク時の20%、10%というスキー場も珍しくない。しかも、次の要因を勘案すると、さらに現在の40%に縮小するという。

・今後も若年人口が減少する

・すでに若年層のスキー・スノーボード経験率が大幅に低下している

・19~22歳の間にスキー・スノボを経験しない人は、90%の確率でその後一生スキー場に行かない。

 そこで生まれたのが雪マジ!19プロジェクトだ。19歳の人のリフト代を無料にするというものだ。全国90弱のスキー場が参加した。専用サイトで会員登録し、返信されたメールと顔写真付きの身分証明書を参加スキー場で示すと、無料リフト券が発行されるというものだ。

 19歳のときにスキーを経験することによって、その後スキーを愛好する可能性が高まる。実際、相当の効果をあげているようだ。

 さて、自分の事業では何ができるでしょうか?