川原慎也著 すばる舎リンケージ 1470円
PDCAについては、すでによく知っていらっしゃる方、聞いたことのある方も多いと思います。Pはプランで計画を立てること、Dはドゥで実行すること、Cはチェックで実行したことの結果を評価すること、Aはアクションでうまくいっていないところを改善することです。ピーディーシーエイと呼ばれ、経営者に広く知られていることばで、PDCAをうまく回すことが経営には必要であるとされていますが、現実には多くの経営者がなかなかうまくできずにいます。本書は、PDCAをうまく回すためのポイントを説明しています。
★PDCAが回らない理由
・数値目標のみで、行動目標になっていない
・成果主義に基づく評価では、評価を下げないために、レベルの低い計画しか出てこない
・できる目標とすべき目標を区別する。できる目標はしっかり達成していき、すべき目標は達成可能性は低くてもそこに向かっていなければならない。そのために、この二つを区別する。
・目標を社内で共有しようとしていない
★P=計画
ここでつまずくことが多い。
まず→何のために計画を作るのかをはっきりさせる
①現在の業務を振り返って、どんなことならできそうか、現実的なレベルでの計画を策定する
②問題を確認し、「それはなぜ起きているのか」を繰り返し考え、明確にする
③頭の中でシミュレーションする
やろうと思っていることをしたら、実際に問題が解決しそうなのかを考える
④計画の具体性をチェックする
・何を、いつまでに、誰が、どうやって、が決まっているか?
・目標達成が困難と思われる場合、中間目標が決まっているか
・決めた目標を達成できるイメージを持つ
★D=実行
・突発的なことは、必ず起こる。だから、突発的なことが起こることはあらかじめ想定しておき、その状況においても計画の実行をすべきことを確認しておく
・日々の業務があって、そっちに計画の実行がとられてしまうということが起こりがち。
・社長が率先実行する
社員が実行するためには、社長が率先実行して、その計画が重要であることを示す
★C=評価
評価とは、目標がどのくらい達成できているかを評価すること。そのためには、目標が評価できる形になっていないといけない。原則的には数値になっていなければいけない。
そして、実績がその数値で正確に表現されるようにする。目標と実績がひとめでわかるようにする。それで、やっと評価ができる。数値で評価すると、数値が操作される可能性があるので注意する。
★A=アクション
「進捗状況の良くない部分」を改善していく。
改善というのは、新しい実行計画を作ってやっていくということ。PDCAでは、どんどん新しいことをやっていかなくてはいけない。
進捗状況の良い部分については、目標をアップさせる必要があるのか、あるいは、達成できた目標は削除し、新しい目標に変更するかどうか検討する。