水元均著 253頁 商業界 1500円
この本は書名のとおりスーパーマーケットを対象にした本です。しかし、本書には、スーパーマーケットだけでなく、ほとんどすべての業種に使えるテクニックが記載されています。いくつか、特に面白いと思えるものを選んで要約してみます。(なお、本書では売上総利益のことを荒利益と表示していますので、そのままの表現しました)
儲け
ここで言う「儲け」とは、「営業利益」や「経常利益」のことではない。「荒利益高」(売上―仕入)のことだ。売上高主義や経常利益主義から荒利益高主義にシフトしなければならない。
「違いの見える化」に絞ったマーケットリサーチ
①自店の強みをより強くする
お客様に喜んでもらえる自店の強みを見つけて、それを戦略項目に落とし込んで、徹底的に強化する
②基準はあくまで理想
強みを引き出すときのポイントは、他店ではなく、理想を基準にすること
③「オンリーワンバリュー」を創造せよ
弱みを強くするのではなく、強みをもっと強くすることで、オンリーワンバリューを作ることができる
④「戦略(価値)キャンバス」のフレームワーク
戦略が簡単に分かるようにビジュアル化する
優れた戦略の共通項
①「めりはり」がある
強調するものと捨てるものを区別する
②「高い独自性」がある
圧倒的な違いを作って、それをお客様が見えるようにする
③「訴求力のあるキャッチフレーズ」
戦略を言語化すると、全員の意識が高まる
バイヤーにいつもいうことば
「去年と同じことをしていたら、必ず売上はダウンする。だから常にニューへの挑戦をしていこう」
パート教育
なぜ、パート社員教育をしないのか?パートにもっと教育投資すべきである。その理由は
①荒利益高の獲得は現場担当者次第である
②現場の人間力、現場力を最大にしなければならない
③パート社員には優秀な人材が多い
④教育や情報に飢えているパート社員が多い
成功事例の共有化
現場教育で一番効率がよく、一番効果の出やすい方法に成功事例の共有化がある。ああしろ、こうしろという社長メッセージよりも、成功事例をメールや写真で流したほうが、社員は見てくれるし、効果も高い。
インターネットテレビで社員教育
http://www.akindonet.com/index.php
ここでは、たくさんの動画を無料で見ることができます。
この動画を全社員で見ることの効果
①みんなが同じ番組を見ることで基準や方向性が同じになる
②繁盛店番組により、全社員が繁盛店視察したのと同じ状況になり、モデリングのスピードがあがった。
③映像なのでわかりやすい
以上、いかがでしたでしょうか。御社でも使えそうなものがあったでしょうか。強みを探すというのは、なかなかむずかしいでしょうけど、自社にある強みを探し出して、強調する。やってみる価値はあると思います。インターネットテレビもぜひ、ためしに見ていただきたいと思います。そこから何かヒントを見つけ出して、実行できることを探しましょう。