正垣泰彦著 日経BP 1470円 203頁
著者は、東京理科大学在学中にサイゼリヤ開業した創業者です。
サイゼリヤは、現在国内に860店、海外に80点を展開しています。
レストランチェーンの話ですが、いろいろな業種につかえる話が満載です。
いくつかご紹介します。
どうすれば無駄を無くせるか:一番効果があるのは、何かを改善しようと考えるのではなく、今までやっていたことをやめることだ。飲食店であればメニューを絞る。これで食材のロスが減り、作業効率が良くなる。
・品揃え:スーパーを見ていると、商品が、「ほっといても売れる商品」「店が売りたい商品」「売れないけどないと困る商品」の3つに分類されることに気がつく
・店舗視察のコツ:経営者の中には、他店を見ても「この店のやり方は大手だからできることで、ウチにはまねできない」と初めから学ぶことをあきらめてしまったり、逆に視察した店のあら探しばかりをしたりする人がいるが、それでは経営者とは言えない。
「売上が伸びないのはなぜか」と1人で悩むよりも、売上や利益が伸びている店を調べるべきだ。自店と何が違うのか、どうして違うのかを考えることで、自分たちがこれから何をすべきなのかが見えてくる。
・マクドナルド:一番視察を勧めたいのは、マクドナルドだ。
今でもマクドナルドを視察するのが大好きで、いつも新しい発見をする。
渡米時には、必ず現地のマクドナルドを視察する。
・4分野:店を視察するときは、「商品」「設備」「作業」「立地」の4分野について、ぞれぞれ100項目ずつ書き出していくことを勧める。次に記した項目について、その店はなぜそうしているのかを考える。最後に、自店が取り組むべき事柄を決める。この事柄は、3段階に分ける。
「実現に長時間かかる理想の案」
「少し時間のかかる案」
「すぐにできる案」
(澤根のコメント:100項目と決めているのがすごいです。こうすることで、するどい観察力が養われるのでしょう)
・おいしさ:「おいしい」=「客数」と考えている。客数が増えているなら、その店の料理はおいしい。客数が減っているなら、その店の料理はおいしくないのだから、何らかの対策を講じるべきだ。
(澤根のコメント:本の題名もここからきているのでしょう。おいしいかどうかを決めるのは顧客であって、経営者ではないということです。物販業であれば、商品が良いか悪いかは顧客が決める、となるわけです)
・人事生産性:もっとも大事な指標。当社の店長たちに売上高の目標は課せられていないが、人事生産性を5,000円~6,000円にすることを求めている。
人事生産性=1日の粗利益額÷従業員の一日の総労働時間
効率が悪かったとしても、問題は人にあるのではなく、作業にある。作業の中で時間がかかるものを短くできないか、無くせないかを考えることが一番の効率化だ。
以上、いくつかご紹介しましたが、何かぴんと来たことはあったでしょうか?
多店舗視察はいかがでしょうか?