飯尾昭夫著 ダイヤモンド社 1470円
著者は、BMWのほかフォード、ジャガーなど新車輸入車を2600台以上販売したトップセールスで、日本一BMWを売った「伝説のセールスマン」としてドイツでも知れ渡っているそうです。
営業とは、お客様に自社の製品やサービスを販売することと考えれば、すべての会社で営業はたいせつです。この本にはたいせつなことがいっぱい書いてありますが、その中から少し選んで紹介いたします。
★お客様のことは、わからないものだ
・外見などで勝手に決めつけたりせず「お客様は、見た目や雰囲気だけではわからない」と自分に言い聞かせて、誰に対しても同じように全力で営業するようにした。
・私は、お客様はすべて「Aホット」(最高の見込み客)だと思って、接客し、商談にあたる。事前に「この人があなたのお客様になる」とわかっているわけではない。「このお客様は買ってくれる」「このお客様に営業しても意味がない」といった判断は一目見ただけではできない。
・来店されるお客様だけがお客様ではない。派遣の人、アルバイトの人も大切だ。店舗の備品などを修理してくれる業者さん、植栽を管理してくれる業者さんも大切だ。
★最初の3分が大切
最初の3分間で悪い印象を持たれたら、あとで何時間かけても挽回はむずかしい。最初にするのは、まず感謝を込めた挨拶だ。「暑い中、お時間をおつくりいただき、ありがとうございます。」と心を込めてご挨拶するところから始める。「たくさんの店の中からここを選んでいただいた」「寒い中を来ていただいた」「忙しいだろうに時間を作ってくださった」といった感謝だ。
★お客様のいいところを瞬時に探す
お客様のいいところを瞬時に探し出して、「感じのいい人だな」「ネクタイがとてもお似合いだな」といった気持ちを持つと、自然に営業する側にも笑顔が出てくる筈。それが、いい接客につながる。誉めろという意味ではない。若い営業がお客様を誉めるとかえって失礼になることもある。接客のコツはリスペクトなのだ。いいところを見つけ出して、リスペクトする気持ちを高めていくことが大切だ。
★お客様のサクセスストーリーを聞き出す お客様のサクセスストーリーをうかがうとすごいなあ、と思う。どのような商品でも、それを買うお客様には理由や動機がある。それを無視して、「いまキャンペーンをやっている」とか「査定をさせてくれ」というのは間違っている。
★なぜ同じクルマを売っていて、販売台数に差が出るのか? 同じクルマを売っていて、販売台数に差が出るのは気持ちに差があるからだ。
★売れない時にすること 売れない時にすることは、二つある。
①とにかくたくさんの人に会う
②既存のお客様に会う
①は、飛び込み営業も、以前のお客様の掘り起こしも含みます。
②は、「買っていただいた先」にうかがって、「おクルマの調子、いかがですか」と声をかけ、お客様とお話しし、それによって、「売れていた自分」を思い出す。会う時間がとれなければ、過去の注文書の束を眺める。「売れる自分」に戻ること、自信を持つこと、元気になることが大切。