植田統著 ダイヤモンド社 1470円
著者は、「最少時間で最大結果を出す仕事術」を本書で伝えたいといっています。いくつか紹介いたします。
すべての仕事にデッドラインを設ける:時間内にやり遂げようという意識を持つことが重要だ。そのため一つ一つの仕事について、目標時間を設定し、それを守るように努力する。仕事にデッドライン(締め切り)を持つ。
コメント⇒締め切りを作るのは、精神的にはきついことです。特に自分で決めるのは、わざわざシバリを自分で作って、それができなければ、自分は無能だということを感じるかもしれないわけですから、いやでしょう。でも、作れば、仕事は間違いなくはかどります。とにかく締め切りを作るのが第一歩です。最初は守れなくても気にしないことです。気にすると、締め切りを作るのがイヤになります。イヤになると続けられません。
時間内に終わらせる意識を持つ:時間が貴重な資源であるという感覚が乏しい人が多い。こういう人は、何かをやることの方に意義を認める。いつまでに終わらせるということには、意義を認めていないのである。仕事に何分使ったか、何時間使ったかは気にしない。私は、常に仕事を何時までに終わらせるかを考えている。そうして、デッドラインから逆算して中間目標も定める。
コメント⇒時間がコストだということを意識していない人は、昔から世界中に大勢います。ですから、時は金なり、とか、タイムイズマネーとかいうことわざが今でも生きているわけです。意識するだけで一歩抜きん出ます。
生活をパターン化する:生活をパターン化することがとても重要だ。朝起きてから寝るまでをパターン化して過ごすのだ。
たとえば、1日を5分割する:
① 睡眠(6~7時間)
② 生きるための時間(食事、風呂、トイレ
/2~2.5時間)
③ 仕事(通勤時間も含む/10~12時間)
④ 体調維持(運動、気分転換)
⑤ 自分のための時間(遊び、勉強、趣味/
④と⑤あわせて3時間)
毎日忙しく働き、毎日違うことが起こっているように見えても、人間はこの5つのことしかやらない。これを意識的に行う。
コメント⇒パターン化するというと、個性的な仕事はできにくいということが考えられるかもしれませんが、実は、生活は決まりきったことを繰り返す方が、仕事も思考もいろいろなことができやすいものです。独創的な著作で有名なある学者は、毎日、おなじパターンで生活したということが言われています。
会議:会議は次の役割を持つ。下に行くほど重要になる。
① 情報伝達
② 情報共有
③ 意見交換
④ 意思決定
①②は、定例的に行われることが多い。③④は、スピーディに行われなければならない。
コメント⇒情報伝達や、情報共有のための会議は、会議自体の開催の可否をまず考え、次にかかる時間、参加する人員を減らすことを検討します。また、これら4つの目的をすべて含む会議ということもあるでしょうが、そういう場合は、各議題が4つのうちのどれなのかを意識し、それぞれの効果をあげるよう注意しなければいけません。