ポール・R. ニーブン (著), Paul R. Niven (原著), 松原 恭司郎 (翻訳)
BSCに関する非常に優れた書籍の翻訳であり、訳もすぐれている。
しかし、原書のmetrics, measures, KPIの訳語を
すべてKPIとしているために若干の混乱を生じている。
著者は、BSCと類似の手法を比較し
BSCの優位性を述べようとしているのだが
BSCを他の手法と区別するためmeasuresを使用
類似の手法に関してはmetricsあるいはKPIを使用し
相違を際立たせている。
本訳書ではこれらがすべてKPIと表現されているため
混乱が生じるのである。
(序文p.5「KPIプロジェクト」は原書ではmetrics project
同じく p123ではBSCと比較し批判するために
KPIスコアカードを取り上げている)
BSC導入の現場でKPIという用語が多用されている関係で
この訳語を選択したと思われるが、原書では
measuresである等の注がほしいところであった。