高野 登著
クレドの秘密は浸透の仕組みにあった
常にトップクラスの評価を受けるホテル、リッツカールトンの秘密は
クレドと呼ばれるカードにあると言われている。
このカードは、「クレド」、「従業員への約束」、「モットー」
「サービスの3ステップ」、「ベーシック」からなっていて
これらは総称してゴールドスタンダードと呼ばれる。
本書には、そのすべてが掲載されている。
ネットで探してもなかなか手に入らないので重宝する。
クレドは、しかし一見すると社訓といわれるものに似ている。
社訓、社是とどのように違うのだろうと不思議だった。
本書によると、クレドを模倣したカードがブームになったことがあるという。
そして、そのことごとくが失敗した。
その理由のひとつはクレドの精神を社員に浸透させるための
仕組み作りがなされていなかったことにあるのだそうだ。
ポイントは浸透であり、浸透のための仕組みなのだ。
本書ではクレドを社員に浸透させるための
さまざまな仕組みが紹介されている。
ラインナップと呼ばれる朝礼、ワオストーリー、2000ドルのエンパワーメント
サービ
ス・クオリティ・インジケーター=SQI、グッドアイデアボードなどである。
クレドを自社に導入しようとする人にとって必読の書である。
また、企業文化を重視する人にとっても大きな意味を持つだろう。