吉野真由美著 角川フォレスタ 1512円 293頁
著者は、生命保険、コンピュータの営業を経て、英語教材会社に入社、
100万円の教材を営業、3カ月でトップセールスとなり、営業管理職に昇進、
営業スキルの教育に活躍したという人。
100万円の英語教材という一見売りにくそうなものを売りまくり
さらに営業育成にも成功したその手法がこの本には書いてあります。
参考になるところがたくさんあると思いますが、
特におもしろいところを抜き出してみます。
★プレゼンの構成
①名刺交換の直後、「地獄から天国話法」を話す
②会社概要・商品説明を行う
③金額を提示する
④「5大ネガ」をすべてつぶす
⑤「地獄から天国話法」を3つ使う
★お客様が知りたいのは、商品説明よりも、その商品で
自分の人生がどう変わるのかということ。
お客様にビジョンを示し、しっかり理解していただき
欲しいと思ってもらうためには、ストーリーで伝える。
そして、人は、「最低から出発して最高になる」話が好きだ。
そのフォーマットがこの「地獄から天国話法」「地獄から天国話法」
①先日、こんな方がいらっしゃいました。
②購入前は、かくかくしかじかで、とてもつらい思いをされていました。
③思いきって何々をお求めになりました。
④購入後は、かくかくしかじかになって、とってもうれしかったと
喜んでいらっしゃいました。
こういう話を、事実に基づいて用意しておく。
脚色はOK、ねつ造はダメ。
名刺交換の直後にこの話法を使うのが大変効果的。
それから、会社概要、商品説明に入る。
商品説明のあとで、お金の話をする。そこでお客様には、
「どうしようかな」という疑問、不安、迷いなどの
ネガティブな感情がわいてくる。
それは、次の5つのポイントについてだ。
「5大ネガ」
①時期:今やらないといけないのだろうか ?
②金額:妥当な金額だろうか?
③効果:予想どおりの効果はあるだろうか?
④優位性:他にもっといい商品があるんじゃないだろうか?
⑤継続性:買っても続けられるだろうか?
これらをすべてつぶす。
★売れない営業の3大勘違い
①詳しい商品説明をしさえすれば売れる:間違い。
詳しい商品説明をしてはいけないというのではなく
それだけでは売れないということ。
②お客様は高いものが嫌いで安いものが好き:これは間違い。
お客様が嫌いなのはリスクを取ること。
リスクがないのは、高額で上質な商品。
③上質で高額なベストな提案は控える:
お客様に無理させては悪いから、「高額な提案は控える」のは間違い。
無理とは背伸びのこと。
人は背伸びをしながら自分の人生のステージを上げていく。
背伸びをしながらときめく。
お客様が背伸びして買い物をする時の独特のワクワク感とときめきを
あなたが奪ってはいけない。
以上、ほんの少しだけご紹介しましたが、いかがでしたか?
私は、筆者の講演を聞きましたが、特に驚いたのは
セールストークの練習です。
紙に書きだして、完ぺきに覚えるのだそうです。
すらすらと、頭の中で組み立てているわけではないのですね。