佐藤昌弘著 1470円227頁 サンマーク出版
著名なマーケッターの最新作です。
変な題名ですが、中身はきわめてまともです。
かいつまんで紹介いたします。
最初のフロントエンドとバックエンド
聞きなれないかもしれませんが
ぜひ自分のことばにしてください。
人が、新しいお店で新しいものを買うときには
大きな障害がいくつもあります。
その障害を乗り越える手助けをするのが
フロントエンド商品です。
●「フロントエンド商品」と「バックエンド商品」
ある商品を売りたいとき、見込み客を集めるために
はじめに提示するものを「フロントエンド商品」といい
最終的に販売したいものを「バックエンド商品」と呼びます。
まず、見込み客を集めることが大事なのです。
パソコンがたったの100円と言って、お客様のを集めて
通信料金で利益を上げる。
著者の場合は、ガイドブックをプレゼントすることで
見込み客を集め、バックエンドでリフォーム工事を売っていた。
●いろいろなフロントエンド商品
・ガイドブック:誰でも何かを買うときは
判断基準となる情報を集めます。
その要望に応えるためにガイドブックを
無料あるいは少額でプレゼントする。
・無料サンプル:単にサンプルを配って終わりにしないために
メールアドレスを取得するなどの工夫をする。
・無料お試し:たとえば工場に消臭設備などを売っていく場合など
1週間の無料お試し利用をフロントエンドにすることがある
・体験授業:学習塾やカルチャースクールなど
・モニター:ソフトウエアのモニター、雑誌の読者モニターなど
・無料ソフトウエア:シェアウエア、ツタヤ宅配の無料期間など
・無料、低額セミナー:時間を使ってセミナーに参加してくれた人は
かなり有望な見込み客です
・トライアルキット:秘訣は最初は安く、後から徐々に高い金額を設定すること
●限定商品:人は限定商品を欲しがる。人はなにかがなくなることを恐れる
●無料の理由の提示
人は、無料ということばに弱い反面、あまりにも一方的に
もらうばかりだと違和感を感じる。
ギブアンドテイクのバランスが取れているとき
相手を信頼するのかもしれない。
そこで、無料にする理由を明記する方法がある
「アンケートを書いてもらったら、無料サンプルをプレゼント」
「賞味期限が近くなったわけあり商品を、今だけ無料プレゼント」
●問い合わせのチャンスを逃さない
・受付は24時間体制にする:留守番電話もOK
・問い合わせを無料化する
・問い合わせ手段の複数化:ファックス、メール、電話
すべての受付チャネルを利用できるようにする。
●信頼のプログラム
人がそれまで知らなかった会社やお店で商品を買うには
その会社やお店を信用するという過程をへなければならない。
もし、あなたが相手から信用を得ようとするなら
いくつかのエピソードが必要になる。
それは次のようなものだ。
家族構成、出身地、趣味、交友関係、資格・肩書き、
所属している団体、出身校、能力を示すもの、
財産・財力、よい評判、外見
さて、以上で簡単な紹介を終わりますが
経営の血であるともいえる新規脚獲得のために
御社ではどんなことができるでしょうか?
売る努力
先月経営指導に伺ったところでは、すさまじい経営努力を
されていて心からびっくりしました。
お客様こられたらサンキューレターを書く。
お誕生日にはバースデイカード、
来店される方には小さなプレゼントをされます。
また、商品に関連した内容で毎月ニュースレターを
作成して配布されています。
お客さんに新規のお客さんを紹介してもらうシステムもあります。
顧客の声を聞くアンケートも実施されています。
ホームページもきちんとあって、そこからの集客もできています。
ビジネス書をたくさん読み使えることは実施し
同業者を観察し真似できるものは真似しています。
関心のあるセミナーがあれば
遠方まででかけて何とか身につけようとします。
しかし、それでも、売上が前年から20%ほど下がっているのです。
何もしていなかったらもっと下がっているのではないでしょうか。
○○をしたら、売上が絶対アップするというようなことはありません。
やってみないとわからない。
ですから、いろいろなことを考えて
実際にやってみてダメだったらやり方を変える。
それを繰り返していかなければいけないと思います。
そして、何かを実行して初めて、もっと深いものを
知ることができるようになります。
チラシの内容によって、反応が違うこと
お客様がたくさんのことを教えてくれること。
そして、この○○、つまり何かは、ひとつだけではいけません。
そのひとつがダメだったら、やっている時間が
まるまる無駄になるからです。
同時に平行していくつかの方法を実行しなければいけません。
何を実行するのか、ぜひ、考えて、書き留めて、実行しましょう。
たいへんな時代です。