尾形幸弘著 188頁 1470円 大和書房
著者は、3年前、札幌の外れにある町の路地裏で居酒屋を出しました。
「桜チョップス」というお店です。しかし、ぜんぜん儲からない。
それもそのはずで、このお店、なんと一年半も
借り手がつかなかった物件なのです。
しかし、斉藤一人さんに教えてもらったあることをしたら
店が繁盛して売上が四倍になったのです。
斉藤一人さんという方は、何年も高額所得者全国第一位になった方です。
本もたくさん出されています。
斉藤一人さんから著者が教わって実践したことを中心に書かれていますが
読者が斉藤一人さんを知っていなくても十分楽しめますし役に立つと思います。
おすすめの一冊です。
さて、あることとは、三つです。
・笑顔
・魅力的な言葉しか使わない
・ほめ×3
この三つについては、あとで書きます。
本書を読むと著者が仕事をとことん楽しんでやっていこうと
いろいろな工夫、仕組みをしていることがわかります。
●お客様と親しくなるためのしかけ
著者は、居酒屋が好きです。
居酒屋では、お店の人とお客様がフレンドリーな会話を楽しめるからです。
ですから、そういった会話が進むようなしかけをいろいろ作っています
・バナナ:この店では、お客様をお見送りするときに
一人ひとりにバナナを一本ずつわたすのだそうです。
・なぞなぞ:トイレになぞなぞがはってあります。
「八百屋さんで売っているお茶。それはなあに?気になる人はスタッフまで」
これでお客様は、スタッフに声をかけてくださるという仕組みです。
・桜ブック:お店で出している料理、デザートに使っている食材や調味料、
お酒すべてのプロフィールを一冊の本にしたものを手作りして、おいている。
外国製の野菜もそのまんま出している。
・レシピカード:お店で出しているものすべてのレシピをカードにしている。
お客様持ち帰り自由。
さてこういった仕掛けは別にして、著者の店が繁盛するようになった
三つのことを要約します。
●繁盛三つの実践
・笑顔
笑顔は基本中の基本。いつもニコニコしていれば
誰からも好かれて人間関係も良くなる。
お客様の前ではニコニコしていても
自分より目下の人にはえらそーな態度をする。
そうやって相手によってころころ態度を変えるよりも
いつでも誰にでも笑顔で接する。
そういうワンパターンの方が簡単だ。
だから、24時間笑顔に挑戦してみようと決めた。
トイレで用を足しているときも笑顔だ。
だって、誰か来た時にいきなり笑顔に
なんてできないからはじめから笑顔だ。
笑顔は、筋肉の問題だ。
筋肉を動かして笑顔を作ると気分も楽しくなるのだ。
お店では、日替わりで笑顔隊長を決め、仕事中にチェックする。
真顔で仕事していると、隊長が「ぴっ」と笛を鳴らし
「スマイルイエローカード」を出す
・魅力的な言葉しか使わない
人の心を暗くしたり、重くする否定的な言葉を使わない。
以前は、来店客が集中し業務がたいへんになってくると
「テンパってきた」と言い、その言葉でさらにあせっていた。
従業員もおろおろしていた。
そこで、「みんな、喜びタイムはいったよ!」というようにした。
これであせらないしおろおろしないで落ち着いて対応できるようになった。
人の心が晴れる言葉、明るくなる言葉
「ついてる」「うれしい」「楽しい」「感謝してます」
「しあわせ」「ありがとう」「ゆるします」
をどんどん使うようにしている。
・ほめ×3
従業員をほめて、ほめて、ほめる。
以前からほめるようにしてきたのだが
「○○くんは、すごいね」といった後に
「でも、まだ上があるから、もっとがんばってな」
この後の「もっと、がんばれ」でやる気が殺がれるのだ。
最後までほめる。