加藤昭吉著 174頁 840円 講談社
計画力ということですが、むしろ、計画を実行するには
どうしたらよいのかということが書いてあります。
おもしろいところをピックアップしてお伝えします。
★計画が失敗する九つの理由
<計画の立案段階での理由>
1計画の目的・目標がはっきりしない
2頭の中だけで組み立てた計画になっている
3状況判断を誤って計画している
4目先の問題解決を積み重ねただけの計画になっている
5複数の計画案の中から選び抜かれていない
<計画の実行段階での理由>
6計画通り実行する熱意に欠けている
7計画実行の勘所をはずしている
8“終わり”からの逆算ができていない
9計画の適切なフォローアップができていない
以上九つの中からいくつか選んでみます。
1.目的、目標がはっきりしていない。
・目的をはっきりさせることが大切だ。
ある会社で伝票システムがオンライン化されましたがトラブルが続出し
残業が増え、人員を増やさなければならなくなった。
本来は、たとえば、伝票処理に時間がかかって
それを解消するためにオンライン化をはじめたのに
当初の目的がうやむやになってしまい
どうせオンライン化するのだからと
いろいろな機能をくっつけてしまったからだ。
目的をはっきりさせることが大切だ。
・目的と手段を取り違えない
「投手はより速い球を投げるとか、より多くの効果的な変化球を
覚えるとかを目指して練習する。しかし、真の目的は剛速球や
多彩な変化球を投げることではない。打者に打たせないことなのだ。」
「そこで私はタイミングを外す工夫をして、新人の年に21勝もできた。」
これは、稲尾和久氏の話だ。
変化球や、剛速球は打たせないための手段だということだ。
3.状況判断を誤って計画している
正しい状況判断のための三つの気配り
①「知ってるつもり」を疑う
②自分の世界を広げる
③直感を磨く
5.複数の計画案の中から選び抜かれていない
すぐ「・・のためには、これしかない」と言う人がいる。
しかし、選択肢をできるだけ多く出して、その中から選ぶようにすべきだ。
8.“終わり”からの逆算ができていない
ゴールはいつなのか、それはどのようなものなのか
そこから逆算して手前に持ってきて打つ手を決めなければいけない。
9.計画の適切なフォローアップができていない
フォローアップの三原則
①現状を正しく捉える
②将来を見通す
③思い切った軌道修正をする
①②によって計画変更の必要がでてくることがある。
出てくる方が普通だ。思い切った修正ができる気構えが必要だ。