西出博子著 学研 134頁 1260円


マナーの本ですが、ありきたりの内容ではありません。       著者は、マナー教育では超一流の方です。 どこが違うのか。
本書で述べられているのは、小手先のテクニックとしてのマナーでもなく、また仕方なく身につけなければならないルールでもありません。マナーを身につけていれば、仕事を楽しむことができるのです。また、マナーは、自分の実力を発揮するための方法でもあります。


本書の冒頭に「お仕事10か条」というのが出てきます。 それぞれに簡単な説明がついているのですが、見出しだけでもなんとなく分かっていただけると思います。最後の項目だけ説明をつけておきます。

 
・小手先のテクニックではなく人間力を身につける      

・大切なのはコミュニケーションをとろうとする姿勢

・「思いやりとは想像力」 ・仕事とプライベートはつながっている      

・家を出たときから仕事は始まる      

・担った「役割」を果たすことが最優先 

・締め切りがないものは、仕事ではなく趣味 ・プロ意識を持つ      

・経営者の目線で考えてみる      

・小さな「WIN-WIN」を積み重ねる

 
自分と仕事相手のどちらか一方が得をするのではなく、ともにプラスになるのが「WIN-WIN」。これは大きなビジネスの話だけではありません。大きな仕事も必ず小さな仕事に分解することができます。身近な仕事で「WIN-WIN」を積み重ねることが、大きな「WIN-WIN」につながるのです。
本書には、項目がたくさんあります。 すごくこまかいこともいっぱい載っています。
でも知らなければ恥ずかしいこと、知っていれば役に立つことばかりです。

本書は、項目ごとが非常にシンプルにまとめられているので、身近なところにおいていれば、いつでも手にとって読むことができます。一項目読むのに一分もかからないものがほとんどですから、毎日の社内教育にも適しています。
ちょっとだけ内容を紹介いたします。

・言葉遣いに関して NG「こちらが、うちの会社の技術の結晶の試作品です。どうぞ、食べてください」 OK「こちらが、弊社の技術の結晶の試作品です。どうぞ、お召し上がりください」

・有給休暇をとる       いくら有給休暇といっても繁忙期に休むのはルール違反。仕事のスケジュールを見て判断しましょう。また、まとめて休みを取る場合は、余裕を持って申告しましょう。

・席次        座る場所には「上座」と「下座」があります。上座はお客様が座る場所で、入り口からもっとも遠いところ。下座は迎える側が座ります。下座は最も入り口に近いため、雑用などをこなすという意味があります。
マナーは、当たり前だと思っている人にはほんとうに当たり前で、知らない人に教えるのがバカらしいほどでしょう。しかし、知らない人が従業員にいるとしたら、それは問題です。

マナー教育というのは、知っている人にとっては当たり前であるからこそ、むずかしいものだと思います。本書は、仕事を進めていく上でのマナー教育に最適と思っています。

 

 

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