概要

合併と買収M&A


中小零細企業のM&Aがさかんになっているようです。M&Aつまり合併と買収ですが、合併よりは買収がずっと多いようです。当事務所でもお客様からのご要望があり、現在紹介会社に依頼をしています。

紹介会社の方にお話を聞いてみました。

なぜM&Aなのか、次のような理由なのだそうです。
・後継者不在
・人材獲得
・営業エリアの拡大
・顧客の獲得

最近は、特に後継者不在による売却希望と人材獲得目的の買収希望が多く、売りと買いでは、圧倒的に売り手市場であり、また、売買の多い業種というのもあるそうです。

対象企業の規模も、ほとんど一人企業レベルからあるようです。

買収をしようかなと思ってとりあえず手を挙げてみるという会社もあるようです。売り手が現れてから、しっかり検討して、買うか買わないかを決めるのです。ダメだったら買わない。割と気楽に買収の希望をだすところがあるのです。

M&Aといえば、大企業のものだと思っていたのですが、時代は変わってきています。
中小企業庁でも、中小企業経営者の高齢化の進展等を踏まえて、「事業引継ぎ支援センター」の強化などの対策を打ち出しています。発足以来、約1万7000社の相談に応じて791件もの事業引継ぎを実現させたそうです。

M&A、中小企業でも縁のないものではなくなってきているようです。御社ではいかがでしょうか?

収益ロジックツリー


利益を増やすにはどうしたらいいでしょうか?
利益=収益―費用
ですから、収益を増やすか、費用を減らすか、あるいは両方をするかです。

資金繰りをよくするにはどうしたらいいでしょうか?
一時的には増資、借入でお金は回るようになりますが、経常的によくしようとすると利益を増やす以外手段はないでしょう。

では、利益を増やす、つまり収益を増やし、費用を減らすためにはどうしたらいいでしょうか?どうしたらいいかを考えて、決めて、実行していくしかありません。

収益のロジックツリーは、何をしたらいいのかを考え実行していくためのツールです。

売上を上げるためにはどうすればいいのか。顧客数を増やす、商品単価を上げる、来店頻度を高める、客の購入の面倒を減らす、などなど、自社にあったものを考えて、書いていきます。費用を減らすにはどうすればいいのか。仕入れ先を変えるのか、商品構成を変えるのか、家賃の交渉をするのか、いろいろ考えて書いていきます。

ひととおり書き終わったら、自社にとってもっとも効果が高いのはなんだろうかと考えます。考える順番は左からです。つまり利益にもっとも大きな影響を与えるのはどれだろうか?あるいは、利益を増やすには、売上を増やすのが先か、費用を減らすのが先か、どっちだろうかと考えます。

たくさんはできませんから、効果の高そうなもの、あるいは実行が簡単そうなものからいくつか選んでやっていきます。

『おもてなし幻想』

マシュー・ディクソン他著 実業之日本社 411頁 2,000円+税

ある社長がおっしゃいました。『うちの近所のスーパーでは、有人レジが空いているのに、無人レジに並んでいる。どうなっとんじゃろう。うちの近所の人は人間嫌いなんじゃろうか』この言葉を聞いてはっと思ったのが、この本のことです。「顧客の不満は、店員との接触で生じる。接触しないほうが満足度が高いのだ」ということが書いてあるらしいのです。そこで、買ってみました。

やはり同様のことが書いてありました。84頁です。
「空港に到着すると、カスタマーサービス担当者が立っているのが目に入る。だが、ためらうことなくセルフサービスの自動発券機に向かい、搭乗券を印刷する。銀行では、窓口ではなく、ATMの列に並ぶ。たいていの顧客がセルフサービスを好むだけでなく、わざわざセルフサービスを使うケースは数えきれない」

138頁にも「顧客は実際はセルフサービスのほうを好む」とあります。

「まえがき」には、今までの常識と調査結果が比較されています。
常識:期待以上のサービスを提供すれば、顧客ロイヤルティ、すなわち顧客であり続ける期間や、顧客がもたらす価値は著しく高まる。

調査結果:顧客の期待を上回るサービスの提供は、ロイヤルティにとってほとんどメリットがない。
常識:カスタマーサポートと顧客のやりとりは、ロイヤルティを高める。
調査結果:カスタマーサポートと顧客のやりとりが発生すれば、ロイヤルティを高めるどころか、4倍の悪影響というのだ。

では、顧客ロイヤルティを高めるにはどうしたらいいのでしょうか。本書では、顧客のディスロイヤルティを緩和することだと主張しています。

以下、要約して紹介します。
カスタマーサービスが促進するのはロイヤルティではなくディスロイヤルティ。ディスロイヤルティ緩和の鍵は顧客努力の提言である。企業は、問題を解決するために顧客に課される作業量を減らし、より手間のかからないサービスに注力すべきだ。これには、情報の繰り返しや再問い合わせの必要性、画一的な対応の回避が含まれる。

たとえばホームページの有用性を高めるためには次の点に気をつける。
①言葉の単純化:一読で理解できるようにする
②検索結果ゼロを避ける:顧客の検索用語を使うようにする
③関連情報をまとめる:関連する情報をまとめ、ほかのテキストと間隔をあける
④専門用語は避ける
⑤主語と動詞をはっきりさせる
たいていのホームページが失敗しているのは、機能やコンテンツが不足しているからではなく、多すぎるからだ。成功を収めている企業は、意欲的にコンテンツを単純化し、顧客の抱える問題に最適のチャネルやコンテンツに顧客を導いている。

以上ですが、ごく簡単にいうと顧客に手間を掛けさせるな、それが顧客ロイヤルティの向上に一番効果的だということです。自社では、顧客の手間はどうなっているでしょうか?どうすれば軽減できるでしょうか?

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