脳の改善


日系三世のアメリカ人、ウェンディ鈴木さんは、有名な脳学者です。
著書『健康な脳、ハッピーな生活』の中で次のように言っています。

脳の機能は鍛えることによってどんどんよくなる。創造性も、特別なものではなく、思考の一形態に過ぎない。だから他の認知能力などと同じように練習することによって改善することができる。では、どんな練習をすればいいのでしょうか?

★既存の物を新しい方法で扱う
・いつも使っている日用品の新しい使用方法を考える:歯ブラシ、トースター、ホッチキス、輪ゴムなど
・コーヒーなどの新しい飲み方
・ペットの犬や猫と遊ぶ方法を三つ考える
・会社に行く新しい方法、道筋を考える。

★同時により多くの感覚を使う
同時により多くの感覚を使うことによって創造性は飛躍的に改善します。通常の快適な活動を離れて、何か新しいことを学ぶのです。

★ちょっとした新しいことをする
・つまようじや柔らかいキャンディーを使って、幾何学的な立体を作る
・色紙を切って、マチスのような抽象画を作ってみる
・台所に行って、そこにあるものだけで何か料理を作る
・好きな歌の替え歌を作る
・外に出て座り、4分間目をつぶる。新しい方法で世界の音を聞く
・劇や詩を、俳優になったつもりで感情を込めて読む

 要するに新しいことならなんでもOKのようです。
 

永遠に生きるかのように


平昌五輪金メダリスト小平奈緒さんの座右の銘は、マハトマ・ガンジーの「明日死ぬかのように生きろ、永遠に生きるかのように学べ」だそうです。前半の「明日死ぬかのように生きろ」は、私にとってはハードルが高すぎて、どうしてよいかわかりませんが、後半の「永遠に生きるかのように学べ」については、ずしんと心に響きます。そして、どうすればよいのかもわかるように思います。

「あと何年生きるかわからんのに、●〇して何になる?役に立つんか?」という言葉をたまに聞きます。自分でもたまにそう思うことがあります。そんなときにこの言葉は、とてもいいです。

「あと何年」とか考えるな、考える必要はない。「永遠に生きるかのように」ただ何か学べばよいのです。役に立つのか立たないのかも考える必要はない。そう言っているように思えます。

「今更、〇●なんてできない」などということも言えなくなります。なにしろ、永遠に生きるわけですから、今まで生きてきたより長い時間が将来に広がっています。ですから、「今更」なんて言えません。

さて、それでは何を学ぶのか。なんでもいいと思います。役に立つことでも、何の役に立つのかわからないことでも、商売に関係のあるものでも、直接は関係のないものでも。そして、学ぶことの中でも、とっつきやすいのは、新しいことをすることです。

「永遠に生きるかのように」いろいろなことを学び、「永遠に生きるかのように」新規顧客をゲットし、「永遠に生きるかのように」売り上げを増やす。そして新しいことをする。

『スタンフォードの自分を変える教室』

ケリー・マクゴニガル 大和書房 342頁 1,600円+税
著者はスタンフォード大学の医学部健康増進プログラム担当の健康心理学者です。本書では、心理学、経済学、神経科学、医学の見地から自己コントロールに関する最新の見解を教えてくれます。
いくつかご紹介します。

★ストレス
ストレスは私たちに、思慮分別を失わせ、いたずらに本能のままに動かそうとする。喫煙者が歯医者に行かなくてはと思うと猛烈にタバコを吸いたくなる。大食漢が人前でのスピーチを命じられると、こってりとした甘いものがいっぱい食べたくなる。実験用ラットにいきなり電気ショック(ストレス)を与えるとアルコール、砂糖、ヘロインなどに飛びつく。

★ストレス解消法
米国心理学会によると、最も一般的なストレス解消法は、食べる、飲む、ショッピング、テレビ、インターネット、テレビゲームなどだ。これは、脳の報酬システムというものを活性化させ、ドーパミンという物質を分泌する。その結果、気分がよくなる。

しかし、同学会が、実際にそれらの方法を行っている人にその効果を聞いたところ、効果的だと答えた人はわずかだった。ドーパミンは気分を一時的に良くするが、もっともっとという欲求を作り、決して満足させない。その結果気分が落ち込むのだ。

★ドーナツとお菓子の実験
・失敗したときに厳しくするか、やさしくするか:罪悪感の効果
ダイエットを気にしている女性が対象。
参加者への説明:「実験は2種類あり、ひとつは食べ物が気分に与える影響を調べる実験で、もうひとつはいろいろな味のお菓子の試食」
最初の実験では、すべての女性にシュガーシロップをかけたドーナツかチョコレートドーナツのどちらかを選ばせ、4分以内に食べ終えてもらう。

半数の女性には、「参加者の方々のなかにはドーナツをまるごと食べたせいで罪悪感を覚える方がよくいるんです。あまり自分に厳しくしないように、誰だってときには自分を甘やかすこともあるってことを、忘れないでくださいね」と温かい言葉をかけた。残りの半数にはとくに何の言葉もかけなかった。

そして、次の実験に入った。実験担当者は各参加者の前にお菓子の入った大きなボールを3つ並べ、女性たちにそれぞれのお菓子を食べ、味を評価するように指示した。お菓子は好きなだけ食べてもいいし、ちょっとだけ食べてもいい。

試食がすんだ後、ボールの重さを量り、各参加者が食べたお菓子の量を割り出した。温かい言葉をかけられた女性たちが食べたお菓子の量は28グラムだったのに対し、何の言葉もかけてもらえなかった女性たちは70グラムも食べていた。

ドーナツを食べてしまったという罪の意識が取り除かれることで、食べすぎることがなかったのだ。罪悪感はあやまちを正すのに役に立つと思いがちだが実はそうではない。落ち込んでいると誘惑に負けやすいのだ。
 
いかがでしょうか?ドーナツの実験の結果は意外だったのではないでしょうか?厳しくするのだけが正解ではないようです。