著者竹田陽一栢野克己 フォレスト出版 1400円+税 p.263
弱者としての戦略を徹底的に語っています。
著者の竹田陽一さんは、経営コンサルタントとして約1000社の相談を受けてきましたが、その結果「わかったことは、成功も失敗もその理由の約90%は共通していることです。
『うちの業界は特殊で』とか『うちの会社は運が悪かった』とかいろいろ言い訳しますが客観的にみると大差はない・・・根本の経営原則あるいは経営戦略は変わりません」
その経営原則のひとつが、
どこに誰にどうやって売るのかということを具体的に考えるための
「経営の中心要因」です。
次の表が、経営の分野と力を注ぐ割合を示しています。
1.商品対策 27% お客関連 80%
2.エリア対策 営業 53%
3.客層対策
4.営業対策
5.顧客対策
6.組織対策 13% 内部関連 20%
7.資金対策 7%
8.時間対策
この表で大切なところは、力を注ぐ割合です。
たとえば、商品については次のように考えます。
「商品3分に売り7分」と言われるように営業関係が商品の2倍のウエイトを持つ。商品がいくらよくても営業が悪ければ成果につながらない。一方商品がそれほど良くなくても、営業がよければ成果につながる。つまり零細企業では、経営成績の53%は営業いかんによるから、商品が悪くても営業に力を注げばなんとかなるというものです。
以下、要因ごとにすこしずつまとめてみます。
1.商品対策:・これから伸びる商品に手を出すな!
コメント:このことばには、ちょっとびっくりされるかもしれません。なぜか?これから伸びると市場には、あとから強い競争相手が入ってくる。弱者には勝てない。だからやめておけ、というものです。弱者が勝つには、競争相手がいない市場規模の小さなところで勝てということです。それは、大企業がバカにする業種・商品、あるいは競争相手が弱いところを狙えということです。
・商品の数は増やすな:売るチャンスが増えて、売上も利益も上がるような気がするが、結局は力が分散してどの商品も弱くなり負け組商品ばかりになる。
2.エリア対策:どこのお客さんに売るのか。
・弱者は地方で誰も行かないエリアをねらえ
・都市なら盲点・死角をさがせ
・営業エリアは広げるな:移動時間はお金にならない
・営業エリアを区切ってひとつずつ攻略せよ
3.客層対策
・大手が相手にしない客層に絞る
・あなたの顔と性格に合う客層を探す
4.営業対策:見込み客をどうやって見つけて販売するか。
一般的な方法
①友人知人②異業種交流会・セミナーへの参加③チラシ・ポスティング④インターネット⑤マスコミに売り込み⑥FAXDM⑦DM・・
ヘタでもなんでもやればいい。それだけでもライバルに差がつけられる。
5.顧客戦略:お客とのコミュニケーションがうまくいく仕組みを作る
弱者はすべての分野で一点集中し、コツコツやり続けるしかないのです。」