『2015年世界の真実』
長谷川慶太郎著 WAC、972円 220頁
『2015年日本経済のシナリオ』
今井澂著 フォレスト出版、1,728円 229頁
今回は、上記2冊の本から2015年について考えてみます。
著者は二人とも国際エコノミストとして高名な方です。
そして、お二人とも楽観的な2015年を描いていらっしゃいます。
お正月ですから、明るいのを選びました。
長谷川慶太郎氏は、日本経済は着実に成長すると言っています。
人手不足を見れば成長は自明だ。自動車メーカーの季節工が集まらない、大型バス・大型トラックの運転手がいない、外食産業でも人手不足だ。これが意味しているのは、他にもっといい仕事があるということだ。
つまり、他の業種でも人が余っているわけではないのだ。非正規も正規雇用者も賃金が上がっている。都心ではオフィスが足らなくなっている。これらは、アベノミクスの第一の矢である「異次元の金融緩和」による円安の効果である。
企業の収益に大きく貢献し、海外からの投資を招いた。つまり、成長する方向に動き始めたのだ。人手不足、オフィス不足はそのあらわれである。ただし、東京オリンピックの特需は限定的である。1964年と違い、経済規模が大きくなっており、日本全国に影響するようなものではなくなっている。土木・建設分野では、その効果が東京とその周辺に限定される。
アメリカはいろいろな問題を抱えているが、底力が強く経済は盛り返す。中国は崩壊の可能性が高いが、アメリカも日本も準備を進めている。アメリカは原子力空母の半数を東アジアにおいた。日本の集団的自衛権の解釈変更は在留日本人の救出に関連している。
今井澂氏も楽観的です。
日本株は勃興する、すでに長期上昇期入りをしていて、本格的な景気回復につながる。日経平均38,950円が見えてきたとは、木野内栄治氏(大和証券投資戦略部長)が自社のパンフレットにつけた題名であるが、夢物語ではない。2016年には少なくとも25,000円には届いている。3万円でもおかしくない。日本株は買いだ。
アメリカでは、オバマが大きな爆弾を持っている。リビア東部ベンガジで起こった米総領事館襲撃事件と違法移民に対する恩赦問題だ。ベンガジ事件では大統領選挙を有利にするために重要な情報を隠ぺいしたという疑いがもたれており、第2のニクソンになる可能性もある。恩赦に対しても大きな反対がある。したがって、アメリカの株価は下がる。しかし、株価が下がるからといって、アメリカの景気が後退するわけではない。
中国のバブル崩壊は時間の問題。鉄道輸送のトン数減少、不動産価格も低下している。これらは中国崩壊の前兆である。EUもその中心であるフランスとドイツがよくない。
このように世界がぎしぎしときしんでいくのだが、日本は良くなっていく。アベノミクスが失敗だという声もあるが、第二フェーズは秘策が目白押しであり、期待できる。
以上、二人の考えをごく簡単にまとめてみました。
世界はたいへんだけど、日本は良いというものでした。
そうは言ってもとおっしゃる方も多いと思います。
私たちは日々できることを見つけて、それをやっていくしかありません。
さて、何から始めましょうか?