佐藤昌弘著 240頁 税込み予定価格1000円
著者から出版前に感想を聞きたいとの要望があり
原稿をいただき読んでみました。
著者は、非常に効果的なマーケティングを提唱するコンサルタントです。
彼の考え方の基本は
「世の中の大半の商品の価値は主観的なものであり
その値段の根拠はあってないようなもの」ということです。
ここに安売り競争から抜け出すヒントがあり
ここから彼の販売戦略が始まるのです。
以下ポイントをまとめてみました。
・世の中のビジネスは、悩み解消型と欲求充足型の2種類しかない。
ディズニー、高級レストラン、ブランド品、
希少価値のあるワインなどは欲求充足型だ。
住宅リフォームでいえば
「窓ガラスが割れて寒くてしょうがない」
というのは、悩み解消型。
この2種類をごっちゃにしてはいけない。
たとえば、一枚のチラシに両方載せてはいけない。
・ひとがモノを買うのは、妥協するからだ。
だから、ビジネスの成功のカギは
「いかに消費者に妥協してもらえるか」だ。
「こっちのほうが絶対によいのだ」というのではだめだ。
そうするとお客様には疑いの気持がでてきて反論したくなる。
売りたい商品のメリットとデメリットを述べメリットを目立たせる。
そして、判断はお客様にゆだねる。
「どちらも一長一短ありますが、お客様の今の状況からすると
こちらのほうが、より希望に近いのではないかと思います」
つまり、「○○が絶対によいです」よりは
「○○は期待に近くないですか?」の方が妥協が生まれやすいのだ。
売れない営業マンに限って「他はすべてダメ、ウチの商品が一番」
と言い切り相手を説得しようとする。
するとお客様の心には、「本当にそうだろうか」
という疑問の感情が生まれてしまい
「検討します」と逃げたくなってしまう。
買い物をするとき、人はそのものが最善だとわかってするわけではない。
わからないままに妥協して買い物するのだ。
だから、買ってもらうためには
買い物をする前の不安という入り口から入って
相手の感情の変化を見て、情報を与えてさらに関心を高め
比較検討させて、最後は「ひとまずはお試しで」という妥協へと
自然に動かすことが大切なのだ。
試供品はそのためのものだ。
売れる営業マンは、お客が何を不満に思っているかを
最初にきちんと探り、それを解決するためにはどんな手段があるか
そしてそれらにはどんなメリットとデメリットがあるかを伝え
最終的に相手に妥協点を決めさせようとする。
集客のテクニック
・クチコミ:「お客がお客を連れてくる」はあてにならない。
紹介してくれる人には「紹介してくれてありがとう」
と喜んでそれをきちんと伝えればいい。
そうすると、紹介のモチベーションは加速する。
・強みを前面にだす
自分で弱みだと思っていることでも
お客の立場から見れば強みになることがある。
それを前面に押し出す。
・入る「言い訳」を作る
お客はモデルハウスに入って見学したいが
入ったらアンケートなど取られていやだなと思う。
そこで、中に雑貨売り場を併設する。
お客は、雑貨を買いに来たと「言い訳」で
モデルハウスに入りやすくなる。
美容室は、いったん入ったら
「今日は何もしなくていいです」とは言えない。
定休日に店内でフリーマーケットをして
店内に入ってもらう工夫をした。
・方法を知らないことを自覚する
こう自覚することで、集客の方法を学ぼうとします。
方法をたくさん知り、そこから選んだほうがうまくいく。
以上いかがでしたか。
お客の妥協点を見つける販売方法
御社でもつかえるでしょうか。
ぜひご研究ください。