ダン・S・ケネディ著 東洋経済 1680円 278頁
著者は、米国ダイレクトマーケティング業界の巨匠、本書はその古典的な名著です。いくつか紹介します。
・電話帳
あなたの「売り物」を掛け値なしに伝えられる宣伝文句を考える。それには、電話帳をのぞいてみるのがいい。あなたの業種の広告を見てください。これは、勉強になる。理由は二つ。
1.同業他社の広告を見ることができる
2.どこも同じようなことしか言ってないことがわかる。
そこで、あなたが何を売りにするのか、どのようなメッセージを送るのかが決まる。他とは違うことをしなければいけない。
それがUSP(ユニーク・セリング・ポジション)だ。同じものを売っていては成功を収めるのはむずかしい。
・メッセージの伝え方
メッセージは面白く伝えた方がいい。その方法にはいくつかある。
1.使用前/使用後の写真を使う
2.喜んでいるお客様の体験談を再現する
3.びっくりするようなデータを示す
4.印象に残るキャッチフレーズ、タイトル、説明を使う
5.実演してみせる
・行動を起こしてもらうように頼む
「プロの営業マンと、訪問をただ繰り返すばかりの営業マンとの差は、注文してくれと言えるかどうかの違いだ。」買ってくれと直接言う営業マンは驚くほど少ない。電話帳の広告をもう一度見るといい。ほとんどの広告が具体的な行動を促してない。また、たとえ促していても、納得できるだけの理由も動機づけも特典も示していない。
・ターゲットを絞る方法
やみくもに顧客を探してもだめ。ターゲットを絞らなければいけない。その基本的な方法は三つ。
1.地理で絞る:顧客になりそうな人のいる地区を選んでマーケティングの対象とします。選定したらその現地を徹底的に耕す。毎月ニュースレターを配り、フリーマーケットのスポンサーになり、その他の地域活動に参加する。
2.顧客の属性データで絞る:一定の年齢層、年収、性別などで絞るのが基本。あるいはビザカードを持っている人だけを対象にする。あるいは、一人暮らしの人だけを対象にする。既存客を対象に利用することもできる。既存客になんらかの偏りがあれば、それが今後のターゲット選択の基準に利用できるかもしれない。
3.親近感、つながりを利用する:著者は全米講演者協会に所属している。この協会員にはここ20年間で何百万ドルという商品やサービスを販売している。数年間は、全収入の三分の一をそこから得ていた。商工会議所、市民団体、PTAなど自分がその一員であればなんでもいい。週8時間は職場を離れてさまざまな団体に顔を出したり積極的に参加したりして人脈を広げ、仲間に宣伝してもらう。地域を耕すのではなく、仲間を耕してもらう。
この本の後ろには「究極のマーケティングプラン作成シート」がついていて、書き込んで利用できるようになっています。ぜひやってみてください。試してみたい方は、いっしょにやってみましょう。ご連絡ください。