概要

値上げ

 

 

日本経済新聞ネット版に「さらば「据え置き経済」 物価・賃金、30年越しの決断」という記事を見つけました。ショッキングな内容です。ご紹介します。

 

 

 

「物価も賃金も動かない」。この「据え置き経済」が30年間、日本に染みついたノルム(社会規範)だった。技術革新への挑戦も二の次とされ、成長の芽もしぼんだ。

 

 

ロンドン交通局は3月、一般的なバス料金を1ポンド75ペンス(約320円)に値上げした。05年の1ポンドから定期的に値上がりし、20年弱で75%上昇した。同期間に英国の労働者の週平均の給与も7割増えており、大きな騒ぎもなく値上げが容認される。一方で東京都区部のバス運賃は同時期に5%増と消費増税分しか上がっていない。

 

 

10月公表の日銀の生活意識に関する調査では8割が「5年後も物価が上がる」と答え、うち3割が「中長期的に物価はあがるものだ」と回答した。変化しつつある消費者のマインドに継続的な賃上げが重なり、30年ぶりに「蚊柱」が解凍するのか。企業も消費者も重大な選択の時を迎える。

 

 

 

以上簡単にご紹介しましたが、物価はまだあがるようです。どのような対策があるでしょうか?考えなければいけません。

 

 

 

成長も「タイパ」

 

 

「成長も『タイパ』、若手の新興転職18倍 居心地は二の次」という刺激的な記事を見つけました。日本経済新聞ネット版です。一部をご紹介します。

 

 

 

A氏が新卒で入った電機大手で希望の職種につき、残業は少なく、同僚もいい人ばかり。絵に描いたような「ホワイト職場」だった。でも会社を辞めて、ソフト開発の中堅、マネーフォワードに転じた。緩やかな時間が流れる電機大手では、「社外で通用しなくなる」不安が募ったのだ。新たな職場では「高速道路に乗り換えた気分。3倍のスピードで成長できる」と言う。

 

 

若手や中堅が会社に求めるのは安定よりも自分の成長に変わった。転職をスキルの習得できない職場からの「脱出」と位置付け、成長にもタイムパフォーマンス(時間効率)を追求する。

 

 

厚生労働省によると、2020年に入社した大企業の大卒社員は3年以内に4人に1人が辞めた。10年前の5人に1人よりも多い。企業は残業時間の削減など職場環境の改善で引き留めようとするが響かない。

 

 

「『石の上にも三年』は通用しない。組織の新陳代謝を早めないと人材を引き留められない」。KDDIの木村理恵子人財開発部長は語る。

 

 

社員の成長を支援できない企業は存続すらおぼつかなくなる。

 

 

 

以上記事の一部をご紹介しました。社員教育もスピードを重視しなければならないようです。「石の上にも3年」は、通用しないようですから。

 

 

 

『タイパの経済学』

廣瀬涼著 幻冬舎 227頁 960円(税別)

 

 

「タイパ」は、『今年の新語2022』において新語ベスト10の大賞に選ばれました。「かけた時間に対しての効果(満足度)」や「時間的な効率」を意味することばです。そして、若い世代の消費行動は「タイパ」追求型であるとされます。2010年頃は俳優の上戸彩が「コスパで選んでる?」と言っていたこともあり、コスパを唱える人が多かったようです。著者が言うコスパは、「お金がないから安いモノを求める」、タイパは「時間がないから時間のかからないモノを求める」です。

 

 

タイパもコスパも行動様式を示していますので、両者を知っておくことは対人活動のいろんな面で役立つと思います。簡単に中身をご紹介します。

 

 

★コスパがいいと感じる2つのパターン
・安くてなおかつ〇〇
・安いのになおかつ〇〇
〇〇を提供するのに妥当もしくは安いと感じる

 

 

★タイパ重視の理由
・動画視聴プラットホームが乱立、動画が溢れる⇒「元をとりたい」「配信が終わるまでに観たい」「話題作だから観なきゃ」とノルマのようにこなす意識が生まれた。
・動画視聴プラットホームもタイパを追求しやすいサービスを提供する⇒タイパを意識していなかった層にも倍速視聴などの習慣を植えつけた。
・動画はとにかく短く、音楽はすぐにサビを⇒インスタントなコンテンツでも、おもしろければバズってしまう消費文化が根付いた。
・お金に余裕がない⇒時間はたくさんある⇒一つ一つのコンテンツが鑑賞ではなく消化目的になった。

 

 

★コスパとタイパ
・コスパの追及で消費されるモノは直接効用=目的達成につながるモノ
・タイパの追及で消費されるモノは目的を達成する(ある状態になる)ための手段にすぎないため、その手段にかかる手間が省けるモノ
・消費者は、タイパとコスパを天秤にかけながら消費を決定することもある

 

 

★タイパの3つの性質
①時間効率
②消費結果によって、かけた時間が評価される(主に消費後)
③手間をかけずに〇〇の状態になる(主に消費対象を検討するうえでの指標)

 

 

★必要不可欠ではない消費
私たちの消費は「必要不可欠ではない消費」が中心である、それは次の2分類

 

①外部刺激を受けて必要に駆られる消費:コミュニティの協調やつながり意識を求めての消費、つながり消費
つながりを保つために「コンテンツを観た状態になる」ことが必要。楽しむ必要はない。じっくり視聴することは時間もコストもかかり、タイパが悪い。

 

 

②消費結果によって、かけた時間が評価される(主に消費後)消費した使用価値によって精神的充足につながる消費:他人を顧みない主体性のある消費。他人が無駄だと思っても自分さえ価値が見いだせればいい。
タイパ、コスパ度外視でその消費対象に没頭することもある。

 

 

 

タイパ、コスパいかがでしたか?「私たちの消費は必要不可欠ではない消費が中心である」という文言には驚きましたが、その通りかもしれないと思います。必要不可欠ではないもの、どうやって売りましょう?

 

 

 

電子帳簿保存法

 

 

インボイスとはまったく別に、また全く新しい制度に対応しなければなりません。消費税の課税事業者であろうと、免税事業者であろうと、パソコンを持っていても、持っていなくてもすべての事業者が対象です。

 

 

2024年1月1日開始です。

 

 

この制度は一言でいえば、電子で来た請求書等は電子データとして保存しなければならないということです。

 

 

★この制度の対象

支払先から請求書等が、紙で来なくてネットだけで来る場合

 

 

★対象外

支払先で印刷された請求書が紙でくる

つまり、請求書等がネットだけの場合、パソコンの中に保存しておかなければいけません。バックアップは当然必要です。

 

 

★保存方法

電子帳簿保存法一問一答 【電子取引関係】問16に簡単な方法が掲載されています。ファイル名を
2022年(令和4年)10月31日に株式会社国税商事から受領した110,000円の請求書は、
⇒「20221031_㈱国税商事_110000」とする
合わせて規定をつくる必要があります。

 

 

規定については上記一問一答問29に記載されています。こちらからもご案内します。
なお、詳しくはネット上の「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」をご覧ください。また、澤根にお尋ねください。

 

 

 

インボイス

 

 

インボイスの制度が10月1日に始まりました。

 

この制度は一言でいうと
支払先からインボイスをもらえなければ、損をするという制度です。損をしないのは、消費税の簡易課税の方と免税事業者の方、そして課税取引ではない場合などです。

 

 

どのくらい損をするのかというと、支払額のざっと2%(2/110)です。この2%の損が3年続いて、その後はざっと5%(5/110)の損が3年続きます。そのあとは約10%(10/110)損します。

 

 

損をしないためには、
① 値引き交渉する
② インボイスを発行してもらう
③ 取引先を変更する
④ その他
が考えられます。

 

 

一方、こちらが売上先にインボイスを発行しなければ逆のことが起こります。

 

 

またこのインボイス制度の開始に伴い、現金出納帳等会計帳簿への記載条件が強化されます。また、こちらからお知らせしますが、以下をご覧になれば詳細がわかります。

 

「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」で検索、「一括ダウンロード」をクリックしてください。

 

 

『営業の苦手意識がなくなる本』

浅川智仁著 かんき出版 254頁 1,500円(税別)

 

 

著者は、20万件の電話セールスを経験した後セールスの指導者になった人です。電話セールスですが、営業一般に使えることも多いです。いくつかご紹介します。

 

 

 

★著者の実家は山梨県のスーパーを経営していた。エイギョウと呼ばれる人がやってきて父にペコペコ頭を下げていた。子供心に「将来この仕事だけは絶対にやりたくない」と思った。

 

 

★実家の倒産で、借金を肩代わり。歩合制の営業になり借金を返すことになった。いやでいやでたまらなかったが、多くのお客様と関わるうちに気がついた。「営業ほど、お客様の人生の岐路に立ち会えて、しかも、『自分磨き』になる仕事は、ほかにはないのではないか?」

 

 

★営業の定義
・PDCAを自分で回して楽しむ
・科学的で再現性があり、芸術でもある
・世の中の人々から感謝されるドクターのような誇り高い仕事
・自己研鑽が収入につながる

 

 

★数をこなす
・止めたらこわくなる
・自分で決めた回数のノルマをこなす
・数をこなすことでメンタルが楽になる
・トップセールスになる人は、入社した当時めちゃくちゃに断られた人
・数をこなせばデータがたまる
・落ち込む暇があったら営業する

 

 

★ノーリスクなら全部やれ
「こんなことをやってもどうせ効果はありませんから」と言う営業がいる。これはただの見解。事実は、「効果があるかどうかはやってみないとわからない」。基本姿勢はノーリスクなら全部やれ!

 

 

★役に立つ情報
自分にとって役に立つ、売るための情報ではなく、お客様の役に立つ営業がお客様に喜ばれる。

 

 

★楽しんでいるように見える営業
お客様から見て、「この人から買いたい」とおもっていただける営業は、「余裕があって、楽しんでいるように見える営業」。売上のことしか見えなくなっている営業からは、誰も買わない。商品が同じなら、誰だって、余裕があって明るい営業から買う。『論語』もこう言っている。「これを知る者は、これを好む者に如かず。これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」

 

 

★自分の商品に自信を持てないとき自分の商品に自信を持てないという相談をもらったらこう答える。「100パーセントポジティブな商品はないし、100パーセントネガティブな商品もない」

 

自分の商品に自信が持てない場合は、思考のクセを変え、「この商品のよいところはどこなんだろう?」「お客様のお役にたてるところはどこなんだろう?」と、ポジティブ探しをする。また、商品は売った時に好きになる。まずは、売ることだ。

 

 

★映画『AIR』
『AIR』は、ナイキの伝説的なバスケットシューズ「エア・ジョーダン」の誕生秘話を描いた作品で、ナイキ社のバスケットシューズ部門の立て直しを命じられる社員、ソニーをマット・デイモンが演じている。営業にとって、参考になる場面が山のようにある。

 

 

 

面白いと思ったことを書き出しました。みなさんはいかがだったでしょうか?

 

 

値上げ

 

 

『値上げの科学』(日経トップリーダー10月号)の記事から石井食品が手掛けるお弁当のおかずの定番「おべんとクン ミートボール」の値上げをご紹介します。

 

 

この商品はミートボールが10粒入りで税抜き120円を2008年から維持してきた。カナダの熱波による菜種油急騰、ウクライナによるあらゆる経費の値上がりによる、次のようなコストカットを実施したが、値上げのやむなきにいたった。

 

 

★コストカット

 

・包材費:出荷用段ボールの規格を統一
・作業着クリーニング代:業者見直し
・菜種油使用量削減:濾過を効率化し、油の使用回数増加。

 

 

★値上げ

 

・120円から140円に
・営業担当者は最低限の値上げにとどめたいが、製造担当者は不透明な市場環境への危機感が強くできるだけバッファーを持たせたい。
・経営判断⇒先を見越して長く商売できる価格設定をすべき。原材料費が上がった分だけの小刻みな値上げでは何度も値上げを繰り返してそのたびに利害関係者に影響を及ぼす。できるだけ先を考えて1回の値上げで持ちこたえられるよう、ある程度の幅で価格改定した。
・値上げ後の売上数量の目標値をマイナス10%としていたが、それ以下だった。

 

 

ご紹介は以上です。値上げやむ無しの会社も多いと思います。小刻みな値上げか、大幅な値上げか、判断は難しいですね。

 

 

『神主はつらいよ』

 

新井俊邦著 自由国民社 238頁 1,300円(税別)

 

 

著者は神主さんです。なんでこんな本を題材にするのかというと、楽しめるからです。神社というなじみはあるけれども実態がわからないものを知ることができる。お参りの方法などを神主直伝で知ることができる。伝統的な神社という事業が、現代を生きるためにどのような経営努力をしているのか知ることができる。この3点を楽しむことができるのです。

 

 

著者は14の神社の宮司を務めているのです。宮司は神社のトップです。従業員はいません。つまり、14の社長だけの会社の社長なのです。ここに小企業の経営を見ることができます。

 

 

しかも、著者は中小企業診断士です。

 

まず神社の実態を知ることができるところをご紹介します。

 

・神社本庁に属する8万社のうち、7万社には宮司がおらず、兼任。
・著者の宮司としての年収は300万円弱
・著者が宮司を務めるR稲荷神社からの年俸は5万円。1年5回のお祭りに奉仕。
・R稲荷神社の氏子は50戸で、氏子年会費が3000円だとすると、年間の神社収入は15万円。宮司の年俸はその3分の1程度。
・8割以上の宮司は年収100万円以下で、9割以上が副業をしている。
・神社の貴重な収入源である地鎮祭が毎年3~5%減っている。
・著者は、御朱印のため、きれいな字を猛特訓。

 

 

次に著者の経営努力です。

 

★榊:榊(さかき)は、地鎮祭などのお祭りの間、土地の神様がいらっしゃる「依り代」に欠かせない。しかし、祭りは急に依頼されることもある。それに備えて常時用意しておくのは大変。そこで人口榊を用意しておく。

 

 

★どうして赤色なの?:小学3年生の女の子にお守りを渡したとき、そう言われた。なるほど、女の子だからって、朱色が好きとはかぎらないんだと気づいた。以後、どちらを選ぶこともできるようにし、その後さらに、伝統的な紫・朱色はやめて水色と桃色にした。

 

 

★お守り:子供用の交通安全のお守りには名前を入れていた。しかし、不審者対策で、登下校時に名札を外すよう指導している小学校があると知り、名入れ、名入れなしの選択をできるようにした。

 

神社は伝統的な価値を重んじるべきだ。しかし、それに胡坐をかいてはいけない。伝統を守りつつ、敏感に時代の趨勢をつかんでいく。これこそが、これからの神社の在り方だ。

 

 

★七五三:弱小神社の七五三は風前の灯火。著者の友人はこういう。「俺の親父の代なんて、数年前に予約が埋まっていた。今じゃ、予約ゼロの年もある」この神社で、七五三祈願を中止にしてもまったく混乱は起きなかった。近くには規模の大きな神社がいくつもあり、予約なしに待たずに七五三祈願を受けることができるからだ。

 

 

★商圏を広げる:氏子の子供が集まらないなら、子どもを集める範囲を広げればいい。しかし、氏子区域以外でのポスティングはトラブルのもと。SNS、動画を使う。

 

 

★人出:人出が多い祭りの理由を探して、それを強化する。
最後にお参りの作法を項目だけご紹介します。

 

 

★お守り、お札には有効期限がある。

 

 

★御朱印について

 

 

★地鎮祭のお神酒

 

 

★神様へのお供え物

 

 

★古札納め所

 

 

 

修行中の居眠り

 

 

 

車に乗っているときにラジオの聞き逃しを聞くことがあります。「NHKラジオ」というアプリです。たまたま、兼好法師の徒然草のお話をしていました。おもしろかったのでご紹介します。(徒然草 第三十九段、現代語訳 https://tsurezuregusa.com/039dan/)

 

 

ある人が法然上人に尋ねました。「念仏を唱えているとき、睡魔におそわれ仏道修行をおろそかにしてしまうことがあるのですが、どうしたら、この問題を解決できるでしょうか?」

 

 

法然上人はなんと答えたでしょうか?あなたが法然上人だとしたらなんと答えるでしょうか?
「修業が足らん」と叱るでしょうか?

 

「そんな奴は降格だ、減給だ」というでしょうか?階級があったのか、給料があったのかは知りませんが。

 

 

さて、法然上人の答えはこうです。
「目が覚めているときに、念仏を唱えなさい」

 

そして、徒然草は、「とってもありがたいお言葉である」と続きます。

 

 

いかがですか?指導者としての法然は?

 

 

また、こんなのもあります。
「死後に天国に行けると思えば、きっと行けるだろうし、行けないと思えば無理だ」と言ったそうな。これも、とってもありがたいお言葉である。

 

 

なんか仕事に使えそうじゃないでしょうか?

 

前の話は、一生懸命やっていれば細かいことはあまりがみがみしないでいいのじゃないか
後の話は、できないと思えばできない、できないと思えばできることもできなくなってしまう
ということでしょうか。

 

 

『先読み!IT×ビジネス講座 ChatGPT対話型AIが生み出す未来』

古川渉一、酒井麻里子著 インプレス 174頁 1400円(税別)

 

 

ChatGPTやいろいろな生成AIが話題になっています。この生成AI、ますます世の中で多く利用されるようになると思います。そうなると、好むと好まざるとにかかわらず、生成AIによって作成された情報が私たちの目に触れる事になるでしょう。

 

 

今後のために、生成AIについて知っておいた方がいいのは間違いないでしょう。ということで、今回は本書を紹介することにしました。おもしろいところを少し紹介します。

 

 

★ChatGPTは、何か質問をすると、それに対して答えを返してくれる。「朝、起きるのが苦手なんだけど、早起きのコツを教えて」と聞くと、答えは、「早起きのコツとしては、次のようなことがあります・ ・ ・」

 

答えは省略したが、結構きちっとした返事を返してくれる。さらにChatGPTの凄いところは、1往復で終わりではなくて、連続して会話ができる事。

 

 

★ChatGPTの優れているところは、連続した会話をスムーズに行えることと、生成される文章のクオリティーが高いことの2つ。例えば、AIを活用して企業の決算資料から決算速報のニュース記事を作成することもできる。

 

 

★事実か?

 

ChatGPTが生成する文書は、とても自然できれいにまとめられていることが多いが、その内容はただ必ずしも正しいとは限らない。ChatGPTは、既存のウェブ上のデータを学習し、確率に基づいて「それらしい回答」を出しているに過ぎない。そのため、チャットGPTの内容を仕事などで使うときには、必ず内容が正しいかどうかのチェックをしなければならない。

 

 

★効果的な質問方法

 

・質問を重ねてより具体的にしていく
・前提となる「自分の立場」を明確に伝える。「社会人1年目の営業職ですが」など。
・追加質問で内容を掘り下げていく。
・「相手の役割」を指定して質問する。「コーチとして教えてください」など。

 

 

★機密情報を入れてはいけない

 

ChatGPT に入力された情報は、システムを改善するために利用される場合があるから。個人情報についても同じ。

 

 

★ChatGPT では、2022年初頭までにウェブ上に存在した情報をもとに学習している。だから、それ以降に新たに出てきたウェブ上の情報は学習していない。

 

 

★ビジネスの用途

 

・外注していた業務にAIを活用し、外注費削減
・ SNSの運用や、ブログ記事の作成といった業務
・企画書や提案資料など、最初にAIでおおまかなものを作って手直しする形をとることで、ゼロから自分で作る場合に比べて生産性が向上する。
・長い説明から、短いキャッチコピーを作る
例えば「文章を生成、AIのビジネス活用の可能性について書いた本の宣伝に使う、未来に希望が持てるような日本語のキャッチコピーの候補を10本考えてください」など。
・企画を考える
「ChatGPTについてのビジネスパーソン向けの本を作っています。100万部を突破するための、面白い目次案を箇条書きであげてください」
AIとうまく共存するには?
・ AIが得意な事は、AIに任せる。

 

 

 

中古で億ション

 

東京の中古マンションの価格がすごいことになっているようです。日経ネット版の6月28日の記事からご紹介します。

 

 

東京都心の中古マンション価格が1億円を超えている。首都圏では多くのエリアで新築時と価格が逆転しており、価値が2.5倍に跳ね上がる物件もある。

 

 

海外勢の買い意欲を背景に、マンションは新築や中古を問わず値上がりが続いている。

 

 

駅別の首位は東京メトロ南北線の六本木一丁目駅で、リセールバリューは251.6%となった。調査対象の398駅のうち、全体の98%に当たる389駅で新築時の価格を上回る「逆転現象」が起きている。

 

 

要因とされるのが、海外からの投資ニーズだ。その理由は複数ある。そのひとつが割安さだ。

 

 

もともと香港やシンガポールなどアジアの都市部と比べると日本の不動産は安い。22年に円安に振れたことで、さらに割安になった。相場にまだ上昇余地があると判断し、将来の売却益を見込んでいる。

 

 

その結果、比較的資金に余裕があるパワーカップルでさえ買えなくなっている。中古マンションも『高値の花』になってしまったのだ。

 

 

建築資材、建築価格の値上がりは知っていましたが、中古マンションも値上がりしているのですね。いろいろな影響がもっとでてくるにちがいありません。果たしてどんな影響があるのか。なんとか対処していきたいものです。

 

 

古典ちちんぷいぷい

 

 

日経トップリーダーの「古典ちちんぷいぷい、私を励ましてくれた言葉たち」からご紹介します。

 

 

ここでもまた、休憩のお話です。

 

 

中国の古典『列子』の「遁人(とんじん)と順民(じゅんみん)」の逸話です。

 

★人々が懸命に働いて、休憩を取れないのは、次の4つがあるからだ。

 

1.生活の糧を得て、長生きをしたいと願うため
2.自分の功績を人に認められたいと願うため
3.高い地位や役職に就きたいと願うため
4.安定した生活を送るため財産を得たいと願うため

 

 

⇒この4つの願望を強く持ちすぎると、生死や周囲の人々にいつも左右されて生きるようになってしまう。つまり、自分の人生がすべて他人の手に握られてしまうのだ。

 

 

そういう人々を総称して『列子』は「遁人」=「逃げ回っている人」と表現した。一方で、長寿、名声、名誉にとらわれずお金の亡者でもない人を「順民」と呼んだ。そして「順民」は、どんな世の中であっても怖いものがない。人生を左右するのは他人ではなく、すべて自分の思いひとつと心得ているからだ。

 

 

さて、いかがでしょうか?休憩を取れない理由がなんであれ、「遁人」よりは「順民」な生活を送りたいものです。であれば、裏面でお話しした休憩の取り方の本が参考になるように思います。

 

・リラックス
・コントロール:時間の過ごし方を自分で決める
・マスタリー:やりがいのあること、アクティブで、少しの努力が必要な活動をする。
・ディタッチメント:仕事のことを忘れられるくらい没頭する。

 

 

やってみましょう!

 

 

『TIME OFF 働き方に“生産性”と“創造性”を取り戻す戦略的休息術』

ジョン・フィッチ、マックス・フレンゼル著  526頁 2180円(税別)

 

 

日本語への序文から、少しご紹介します。
「日本に来て初めて就職したとき、終わりのない忙しさと押し寄せる不必要な仕事に、僕は燃え尽きた。過去のクリエイティビティとやる気に満ちあふれていた自分とは違う、抜け殻のようになったと感じた」

 

 

「それである夏、休もうと決めた。『青春18きっぷ』を買って、年休を10日間取り、東北をゆっくりと旅することにしたんだ。静かな日本の風景に身を浸す旅で、僕は古い旅館に泊まった。 山形県の山々を見つめながら、お茶をすすっていた。そのとき、稲妻に打たれたみたいにひらめいた。忙しくしてても全然ダメなんだと気づいたんだ。人生が変わった瞬間だった」

 

 

これが本書のひとつの動機になっているようです。それにしても「青春18きっぷ」というのが面白いですね。印象的な文章をいくつかご紹介します。

 

 

日本は製造業では世界トップレベルだけれど、ナレッジ・ワーク(知識労働)ではかなり劣る。日本の1時間における生産性は、G7の中で、ここ50年間ずっと最下位だ。疲れ果てて燃え尽きるほどに、創造性も生産性もどんどん落ちる。だから焦って余計に長時間働く。そんな、悪循環にはまりっぱなしなのだ。

 

 

日本の友達や同僚にこの話をすると、多くの人が効率性(一定時間でやれるだけの仕事をすること)と生産性(価値ある結果を生み出す適切な仕事をすること)の違いさえ考えたことがないことがわかった。身も蓋もないことを言うようだが、企業も個人もすごく熱心に働いているのに、こんなに何にも達成できていない場所は日本以外にない。仕事内容がそもそも必要なのかを立ち止まって考える時間さえ取らず、ただ働き続けているからだ。

 

 

働くことは、息を吸うことだと思ってほしい。業務リストを作ることは、息を吸うことだ。プロジェクトを遂行することも、息を吸うことだ。アイデアを実現させることも、息を吸うことだ。しかし、ずっと息を吸い続けることはできない。きちんと吐き出さなければならない。

 

 

この吐き出すことこそが、休むことだ。
アリストテレス(ギリシャの哲学者 紀元前384年~322年)のことば、
「すべての基本は余暇である」
「人生のすべては、仕事と余暇、戦争と平和に分けられる。・・・つまり仕事は余暇のためにある」

 

 

アレックス・ジョン-キム・パンは『シリコンバレー式 よい休息』(日経BP年)で適切な休息と回復のための4つの主な要素をあげている。

 

・リラックス:心と体をゆっくりさせる。
・コントロール:どのように時間を過ごすか決める。絵を描いたり、料理したり、音楽を作ったり、自分の思い描いたとおりに時間を使おう。
・マスタリー(習得すること):フロー状態になるようにやりがいのあることをする。本当に効果のある休息は、アクティブで、少しの努力が必要な活動なのだ。難しくて、心からのめりこめる(フロー状態)になるととてもリフレッシュできる。
・ディタッチメント(離れること):仕事のことを忘れられるくらい没頭する。仕事をすっかり頭から追い出して、目の前のことに集中することは、体と心の回復に効果的だ。

 

 

みなさんはどんな休み方をされていますか?

 

 

営業メール

 

 

まったく知らない人からこんなメールが来ました。

 

以下です。

「お世話になります。A工業のBと申します。突然の営業メールで大変恐縮です。弊社は、大工さんを中心に内装・設備・塗装・防水解体・外構・土木・鳶土工の職人で活動しており、総合的な建設工事を行っております。鳶土工・手元作業員に関しましては、北海道から沖縄まで全国対応可能です。ちょっとした小さな工事から、無料でお見積りさせていただきます。機会がございましたら、是非お声がけくださいませ。」

 

 

これを読んでどう思われますか?

 

私は、営業手法としていけるのではないかと思います。コストは時間だけです。評判が大事な業界では、このようなメールはよくないかもしれません。あるいは禁止されている業界もあるかもしれません。しかし、そのようなデメリットのない業界では、この営業メール、コストの低さから考えると可能性は低くないのではないかと思います。

 

 

手順も簡単です。

 

1.メール用の定型文を作る
2.対象業種から送信先企業を探す。
2.問い合わせアドレスを探す。
3.リストに加える
4.定型文のメールを出す

 

 

いかがでしょうか?試してみませんか?

 

ただし、成果はすぐには現れないでしょう。メールには、営業の内容の他、宛先の企業名、メール送信者の企業名、住所、電話番号、ホームページURL等が必要でしょう。

 

 

「利益の出し方」

 

「業務スーパー」創業者沼田昭二さんの記事(日経ビジネス電子版2023.9.19)を簡単にご紹介します。

 

 

まず、沼田さんの考えた利益の出し方は、
「ものの動きを常に細胞で見るイメージを持ち、調理・加工等、全てを頭の中で計算する習慣を持ち、可能な限りオリジナルに新しい方程式を考える」です。この「ものの動きを常に細胞で見る」というのは前項の「オペレーションの可視化」に通じます。また、「調理・加工を頭の中で計算し、可能な限りオリジナルに新しい方程式を何手先まで考える」はオペレーションそのものでしょう。オペレーションの重要さが実感できます。

 

 

以下、儲かる企業に変えた実績です。
2008年から8年間で17社2工場を買収した。そのひとつ「豊田乳業」の主力商品は牛乳だった。
土日も関係なく従業員は働き続けている。牛乳は賞味期限が短いので毎日製造していないと商売にならないと言う。ならば牛乳を作るのはやめにしよう。手法は2つ。1つは需要の高い普遍的な商品をローコストで、日持ちするように製造を工夫して利益を出す手法。もう1つは他社にないオンリーワン商品の開発・製造。

 

 

牛乳パックは低コストな容器として活用できる。別の商品を充填すれば差別化はできるから。開発部門には「賞味期限が3カ月に延びて、なおかつ差別化できる商品の開発」を命じた。数カ月後生まれたのが、牛乳パック入りの水ようかんと杏仁豆腐。これが人気商品となった。

 

 

牛乳メーカを買収して牛乳製造をやめたというのには、驚きます。

 

 

『努力に逃げない「これからの組織」を作るオペレーション科学』

中谷一郎著 柴田書店 212頁 1,800円(税別)

 

 

本書の「努力に逃げない」という題に少しびっくりします。どういう意味なのでしょうか?努力ではないとしたらいったい何をすればいいのでしょうか?

 

 

「工夫」がその答えです。

 

引用します。

 

 

―Amazonやマクドナルド、トヨタ自動車といった、世界的に絶大なる影響力を持つ企業も、並々ならぬ努力だけで今のポジションまで辿り着けたわけではありません。その背景には、努力だけでなく、常に工夫を凝らしてきた歴史があるといえます。誤解を恐れずにいうと、「頑張る、努力するということに逃げずに」工夫を積み重ねられた組織なのではないでしょうか?―

 

 

では、その工夫とはいったい何なのか。著者は、その糸口を「オペレーション」に見出します。オペレーションというと聞きなれないかもしれませんが、「ワンオペ家事」、「ワンオペ育児」などという言葉は耳にします。オペレーションとは、ある目的を実現するために個人または組織で実施する一連の作業、動作の総称です。

 

 

著者は、あらゆる業種におけるオペレーションを可視化、分析、改善することを業務とする会社を経営しています。その顧客の半数は飲食業をはじめとするサービス業です。サービス業では、「うまく回っている」「きつい」「気が利く」といった感覚的な評価が飛び交うオペレーションの可視化、分析、改善が困難な業界です。

 

 

以下、重要なところを要約して引用します。

 

★可視化:可視化は、われわれに進化と多様化をもたらした。今の状況をまず可視化することこそが、オペレーションに進化と多様化を促す第一歩になる。

 

★オペレーショナル・エクセレンス:オペレーションを競争上優位なところまで磨き上げた状態

 

★名前:「オペレーショナル・エクセレンス」を実現した企業の多くは、自社のオペレーションを可視化するだけでなく、そのオペレーションに名前を与えていた。スポーツ分野でも、バスケットボールであれば、「ボックスワン」「ゾーンディフェンス」「マンツーマンディフェンス」といった具合に、動き方や戦い方に名前がついている。

 

★どの業種・業界にも応用できる「万能なオペレーション」が存在しないのは、個々の組織、 個人に変数が多く存在するうえ、それぞれに個性があるため。 卓越したオペレーションを得るには、 個人の勘、経験に頼るのではなく、 まず、今あるオペレーションを可視化することが重要。

 

★オペレーションレベルのチェックリスト

 

―初級

 

・マニュアルは一応あるが参照されていない
・手順や独自ノウハウが個々人に散在している
・社内ノウハウを共有する機能が組織にない

 

―中級

 

・社内ノウハウを共通言語化する取組みがある
・マニュアルが更新されていない
・マニュアルの制作・視聴ツールを導入している

 

―上級

 

・オペレーションの専門部署がある
・自社のオペレーションを数字で計測している
・自社のプロセスをKPIに設定している

 

 

いかがでしょうか?チェックリスト初級にある「手順や独自ノウハウが個々人に散在している」については当てはまる企業が多いと思います。手順、ノウハウの共有化を第一歩としてはいかがでしょうか?

 

 

『瞬考 メカニズムを捉え、仮説を一瞬ではじき出す』

山川 隆義 著 かんき出版 269頁 1,600円(税別)

 

著者は数多くの経験を有するコンサルタントです。現代はAIの時代であり、いかに課題を発見し、よい仮説を生み出すかが特に重要であるとして、仮説を瞬間に生み出す方法について書いています。

 

まず、
「AI時代に人間が仮説構築力を鍛え、課題発見力を高めるためには、時間軸を長く取り、範囲を広く取ってものを考えることが要求される」としています。時間軸を長く取るとは、その日の課題、目の前の問題だけを追いかかけていてはいけないということです。

 

ではどうすればいいのか?そのためには、
「さまざまなことを知っておかなければならない。すなわち教養の深さが大きく問われる。教養の深さは、瞬考においても、AIに指示を出すためにも肝要である」

 

仮説についても、
「仮説が湧くのは、教養が深いからであり、そうでなければ、仮説は湧かない。
指示が出せるのは、仮説が湧くから。仮説が湧かなければ、指示は出せない。
AIが加速度的に進化していく世界において、仮説構築力があるかどうかが、死線を分けるだろう。」
と言っています。

 

では、どうすれば仮説構築力を身に着けることができるでしょうか?
「少しの情報をインプットしただけで、あらゆる仮説が湧く。
極めて少数だが、そのようなコンサルタントも存在する。」

 

そのような人たちは、「一を聞いて十を知るということわざを体現したような存在」です。では、どうすれば、「一を聞いて十を知る境地に至る」ことができるのか。

 

 

それは、「一を聞いて十を調べることである。

5年、10年と『一を聞いて十を調べる』ことを継続する。

その努力によって累積したインプットは、大きな『知の資産』となる。

 

頭の中に、多数の事例や事象を累積して溜め込んで 『知の資産』を作り、長期の時間軸を意識して思考すれば、仮説は一瞬ではじき出せる」のだと著者は主張します。

 

 

そして、著者は、何をインプットすればいいのかを教えてくれます。「何をインプットするかは、どのような立場にあるかによって異なるが、ビジネスパーソンの場合、世の中にどのような会社が存在するか、どのようなビジネスをやっているかをインプットすることから始めてみるといい。インプット手段としてお勧めなのが、『四季報丸暗記』だ。と言います。

 

 

四季報とは『会社四季報』のことで、東洋経済新報社から四半期に一度刊行されている情報誌で、上場企業の企業情報、株価、株主構成や財務状況などを一冊にまとめているものです。著者は、これを丸暗記することを勧めているのです。著者自身、駆け出し時代に「四季報写経」と呼びながら四季報を10年分、表計算システムに入力したそうです。それがずいぶん役に立ち、仮説が湧く人間になれたと主張しています。

 

 

仮説を一瞬にはじきだす瞬考の能力を身につけるには、インプット、インプット、インプット、瞬考の土台となるのが「インプット」なのです。

 

 

さて、インプット、何から始めましょうか?四季報は本屋さんにいけば簡単に見つかります。

 

 

仮説とは
前項で仮説構築力をいかにして身に着けるかについて見てみました。しかし、そもそも「仮説」とはいったいなんなのでしょうか?ネットで探してみました。

 

―問い:「他社と差別化した商品をどうすればつくれるか?」

 

答え:「過去の成功事例から、ニッチなジャンルを開拓する」という仮の答えを出したとします。これはひとつの仮説とも言えます。―――

 

「ニッチなジャンルを開拓すれば、差別化した商品をつくれるだろう」、つまり、仮説とは「こうしたら、こうなるのでは」という考えです。

 

仮説ですから、はずれることもあるでしょう。しかし、仮説ははずれてもメリットがあります。
それはこういうことです。

 

 

――「仮説をせっかく立てても、的外れのものでは意味がない」と考えてはいませんか。しかし、仮説は、それが「外れた」ときにも大きな効果を発揮するようです。
「仮にデータを集めた結果、想定した答えと合わなかった場合でも、なぜ想定した答えと違うのかと考えることで、新たな答えへの発想が展開します。」―――

 

 

これを簡単にいうとこうなります。
「新規顧客獲得のために〇〇すればいいだろう」と仮説を立てて実行したがダメだった。なぜダメだったかを考えて、新しい仮説を立てて実行するということです。

 

「こうしたら問題解消、課題克服」という仮説を立てることを意識してやってみましょう。まずは、課題は何かでスタートします。それから、仮説を立てるわけです。

 

 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします