一番いい方法

何か困ったとき、あるいは、何か決めなければいけないとき「一番いい方法は何か」と考えると思います。しかし、「一番いい方法は何か」を考えるのは、あまりいいことではありません。なぜでしょうか?

「一番いい」というからには、可能な選択肢をすべてあげなければいけません。これが、なかなかできません。どこまで考えても、他に選択肢があるかどうかがわかることは、あまりないからです。おまけに、すべての選択肢をあげるには、時間がかかる。エネルギーがいる。コストもかかるでしょう。「一番いい」を探していると、人生は終わってしまい、財産もなくなってしまうかもしれません。

ですから、「一番いい方法」を探すよりは、わかっている範囲で「適当な方法」を探す方が実際的です。

さらに、「一番いい」方法だと決めてしまうと、もっといい方法を見つけようとしなくなります。いつだって、今よりいい方法があるはずだと考える方が、うまくいくのではないでしょうか?

「これしかない」というのも危ないです。他の手段を探さなくなってしまうからです。人というものは、横着です。たくさんあるはずの選択肢をなかなか探そうとしません。一つか二つ選択肢を見つけると、「これしかない」となってしまいます。それ以上考えるのが面倒くさいのです。

問題の解決法、対処法を考えるとき、避けるべきは、「一番いい方法」と「これしかない」という発想だと思います。少なくとも、「一番いい」とか「これしかない」とは言わないようにしたいものです。

国民全員簿記3級

この本は、いい本かもしれませんが、ここでお勧めするわけではありません。見ていただきたいのは帯です。ホリエモンさん、つまり、堀江貴文氏が、「日本人は全員、簿記3級くらいの知識は持つべきだ」と言っています。

皆様は、簿記3級程度の知識をお持ちでしょうか?
4問用意しました。解いてみていただけますか?

問1.借金を返すと、
A.利益増、B.利益減、C.利益に無関係

問2.商品が未着だけれど、代金を払ったら、
A.利益増、B.利益減、C.利益に無関係

問3.売上総利益とは、
A.売上―売上原価、B.売上―売上原価―販売管理費

問4.資産が増えると、
A.利益増、B.利益減、C.不明


決算書を読む力はとても大切です。簿記の知識と技術が元になって、決算書ができあがります。簿記を知らなくても決算書はわかるという人もいますが、簿記を知っていた方がよくわかると思います。簿記を知って、会計を勉強すると、決算書がずっとわかりやすくなります。



解答:問1.C 問2.C 問3.A 問4. C


間違えた方は、ぜひ簿記3級の勉強をしてみてください。ついでに検定も受けてしまいましょう。

『マンガでわかる行動経済学』

ポーポー・ポロダクション著 SBCreative 205頁 1000円+税


行動経済学と聞くと、難しそうに思われるかもしれませんが、私たちは、実は行動経済学の実践の中で生活しています。ちょっと知っていると世の中の見方が変わってくるでしょう。特に面白いところをご紹介します。なお、かっこ書きで澤根が補足説明します。


★代替報酬


ある行動をすると、いいこと=報酬があるのだけれど、その報酬の魅力が十分ではない場合、行動を起こさない。たとえば、ウオーキングが体にいい、将来の健康に貢献するとしても、「時間の消費」「めんどくさい」という感覚に負けてしまう。そこで、将来の健康の代わりの報酬を作る。これを代替報酬という。

スウェーデンのある駅では階段をピアノ鍵盤のようなデザインにしたところ、階段を使う(本来の報酬=健康によい)人が66%も増えた。(ネットで塾の例を見つけました:子どもたちが勉強を頑張るのは、「学力を高めて将来の受験に役立つ」ではなく、単に「〇をもらえると嬉しい」というのが大きな動機だったかもしれない、つまり、「できた問題に○をあげる」ことは「代替報酬」として機能していた)


★サンクコスト

コンコルドの誤りともいう。コンコルドは、英仏が開発した超音速旅客機。完成しても諸条件から採算が取れないことが開発中に判明したが、すでに巨額の投資が行われていたため中止できず、損失が膨らんでしまった。
(この場合サンクコストとは、採算が取れないことが判明した時点までの投資=損失をいいます。この損失はもう決定していてどうしようもない。この先開発を続けるかどうかは、開発をしない場合の損失と、開発を続けた場合の損失を比べるべきなのです。しかし、「今まで努力したこと=サンクコスト」に目がくらみ、開発を続けてしまい損失を膨らませる。よくある話だと思います。「せっかくやってきたのに」ということばが出てきたら注意すべきでしょう)


★選択肢の過多

何かを選ぶときは選択肢が多いほどよいといわれる。しかし、実際には、選択肢が多くなりすぎると比較することをやめてしまい、結果選択しなくなる。

ジャムの実験が有名。スーパーにジャムの試食ブースを作った。ブースAでは、6種類のジャム、ブースBでは24種類のジャムを並べた。Aでは、買い物客の40%が試食、Bでは、60%が試食したが、実際に購入したのはAが30 %、Bは3%だった。

★デフォルトの効果

私たちはなんでも比較したがるくせに、ややこしい比較はしない。これは初期設定(デフォルト)を優先するという形で現れる。2000年にスウェーデンで新しい年金制度がスタートした。650ある運用ファンドから自由に選択できる。政府は自分で選択しない人のためにデフォルトのファンドを用意した。2006年、デフォルトのファンドを使っている人が92%である。(飲食店メニューでは、店長のおすすめとか、セットとかいうのが、デフォルトの性格を持っていると思います。物販でも、デフォルトを使っています) 


いかがでしょうか?サンクコストはありがちです。また、選択肢の過多については、お客様への提案時に注意すべきことだと思います。

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