石井裕之著 フォレスト出版 204頁


「コールド」はまったく準備なしでという意味です。
「リーディング」は霊感で読み取ること。

つまり、コールドリーディングは、初対面の人の現在、過去、未来をずばり言い当てることです。もちろんネタがあるわけで、本書では、そのテクニックを解説しています。

これは詐欺師、占い師のテクニックなのですが、そうではない人も「信頼関係を作るテクニック」として使えるというのがこの本の主張です。もちろん、騙されないための知識にもなります。

以下簡単にテクニックを述べていきます。


・セレクティブメモリ

人はすべてのできごとを記憶しているわけではない。アピールが強かったものだけが記憶として残る。リーディングではあたっていたことだけが記憶に残るようアピールするのだ。

・ストックスピール

暗記しておいて使う常套句。人は他人とは違う人生を生きていると思っているものだが、実は誰もが同じような悩みを持ち経験を持っている。だから誰にでも当てはまりそうな文章を用意しておく。

相手は、ああ、自分のことを分かってくれているんだと安心する。
あるいは言い当ててくれたと信頼する。

「あなたは今自分の能力を活かし切れない環境で仕事をしていますね」

「あなたは今、誰かに嫉妬されているようです」

「今あなたは経済的な問題を抱えていますが、決して対処できないほど大きなものではない」

・小さな予言(サトルプレリディクション)

未来を予言し、的中させたように思わせるテクニック。
実ははずれることがない予言。

「近いうちに、しばらく連絡が途絶えていた人から急に接触があるはずだ。その人を大切にした方がいい」

「近いうち」というのがわからない。いずれ「しばらく連絡がなかった誰か」からは連絡がくるだろう。だから、この予言ははずれることがない。

本書の冒頭では、手相を見ながら

「う~ん、キミは、○○社に勤めている人じゃないよねえ・・?」
といってあててしまうシーンが出てくる。

実はこれはあてずっぽうだった。あたらなかった場合

1.○○社とはまったく関係がないときは、「そうだよね。あそこの社員を何人かリーディングしたことがあるんだが、あなたのようなクリエイティブな手相の人はいなかった」と逃げ、リーディングを続ける。

2.○○社ではないが同じ業界だった場合は、
「そうでしょう。この業界で活躍しているという強い波動がある」

・タイムフレーム

「最近経済的な問題を抱えていますね」

「いいえ、まったく問題ありません」

「なるほど、このカードを現在のこととして解釈していましたが、すでに問題は起こっていたんですね。」

このテクニックは、リーディング自体をミスにするのではなく、時間の要素だけが間違っていたとアピールするわけです。カードが間違っていたのではなく、解釈の一部がまちがっていた。カードはあっていたというわけです。

 

詐欺師はこういった具合にいろいろなことを言い当てたという実績を作り、信頼を高めていき、最後に大きな買い物をさせたりするのです。

「この壷を買わないとたいへんな事故にあいますよ」

リーディングのテクニックを読んでいて感じたのは、すべて相手の反応を細かくみながら対処していくのが基本になっているということです。つまり、当てる側は、必死になって相手の話を聞き、動作を読み取ろうとしているわけです。こういった態度が信頼の獲得につながるのだろうと思いました。

この本のテクニックを下手に使うと信頼を失うのは目に見えていますから要注意ですが、騙されないためのテクニックとしてはすぐ使えるでしょう。