概要

でんかのヤマグチ

matida「でんかのヤマグチ」は東京都町田市にある小さな電気店です。町田駅周辺には大手家電量販店が6店もありますが、ヤマグチは18期連続の黒字で、ここ数年は粗利益率39.8%。大手量販店は25%程度です。なんとも素晴らしい企業です。どんなことをしているのか、『日経トップリーダー』2月号の記事から少しまとめてみます。

1.マーケティング3.0

単にモノやサービスを売るのではなく、消費者の精神的な充足感にまで踏み込んだ対応をすること。ヤマグチでは、家電の使い方が分からないなど得意客が困って連絡してくると、どんなにささいなことでも顧客宅に飛んでいく。

2.顧客データを使いこなす

社員が顧客の自宅に出向く「御用聞き営業」をしている

3.強く売り込まない

店内各所にテーブルといすを置いている。高齢のお客が座って商品説明を聞いたり休憩したりできるようにしている。強引に売り込むよりは、まずゆっくりしてもらい、居心地のいい店という印象を持ってもらい、信頼関係を築き、自然と商品を買ってもらうようにする。

4.日々是地域貢献

周辺住民や地元企業につくせば、その価値観に共鳴した顧客と強いきずなができると考える。会社の姿勢も売る。

5.小さな変化に即応

日時で売上などの数字を管理し、小さな変化を見逃さない。

6.顧客のストレスをなくす

新店オープン後、複数の来店客から店の場所が分かりにくいとの声が出た。バス停からの道順を示す地図をチラシに載せて社員が近隣に配った。

7.五感を研ぎ澄ます

山口社長は、週末にはほぼ必ず店全体を見渡せるレジ付近に立つ。

岡山金融経済月報

地方都市日銀が2月1日に発表した岡山の景気の状況をご紹介します。
まず、概況ですが、

県内の景気は、緩やかな回復を続けている

そうです。
「個人消費は、天候要因による振れを伴いつつも、底堅く推移、設備投資は、持ち直している。住宅投資は、持ち直しの動きが一服している。公共投資は、横ばい圏内で推移している。輸出は、弱めの動きとなっている。こうしたもとで、県内主要製造業の生産は、横ばい圏内で推移している。雇用・所得環境は、着実に改善している」
以上が概況ですが、どのように感じられていますか。雇用環境が改善しているということですが、詳細については以下のとおりです。

 

「有効求人倍率は、高水準で推移している」

。11 月の所定外労働時間は、前年を上回った。雇用面をみると、11 月の常用労働者数は、前年を上回った。12 月の解雇者数は前年を上回ったものの、雇用保険受給者数は前年を下回った。賃金面をみると、11 月の一人当たり現金給与総額は、前年を下回った」ということです。

 

有効求人倍率は高く、人の採用が難しい状況が続いているようです。
採用は厳しいが、賃金が上がっているわけではないようなので、それが幾分救いになっています。
12 月の県内企業倒産(東京商工リサーチ調べ、負債総額 10 百万円以上)を見ると、

倒産件数、負債総額ともに前年を上回っています

2月の発表ですが、11月12月の状況です。年始以後今年は雰囲気がよくありません。経営改善のために何ができるか、考えて実行していきたいものです。

 

『ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか』


石熊谷 徹 青春出版社880円+税 280頁

著者はドイツ在住のフリージャーナリストです。ドイツの生産性の高さを見て、なんとか日本でも高くならないかという視点で書いたのが本書です。
日本の労働生産性、1時間当たり生み出される国民一人あたりのGDPは、約40ドル、ドイツは約60ドルと1.5倍もあります。これを言い換えると、ドイツでは60ドルを稼ぐのに1時間かかるのですが、日本では1時間半かかるということです。ドイツでは1年で出来る仕事が、日本では1年半もかかってしまうということです。

労働生産性を高めれば日本はもっとよくなる

と著者は言います。では、ドイツの労働生産性はなぜ高いのでしょうか。
ひとつは、労働時間に対する法規制が厳しいということがあります。そして、非常に厳格に守られている。労働時間がきびしく制限されているからその中でなんとか仕事をしなければいけないということが、労働生産性が高い大きな理由であると著者は言っています。
もうひとつは、国民性です。ドイツ人は無駄な仕事をしたり、無駄な時間を費やしたりすることをひどく嫌います。また、仕事をするときには、「費用対効果」の関係を常に考えます。費やす時間や労力に比べて、得られる効果や利益が少ないと思われる場合には、その仕事をしてよいかどうか真剣に議論します。時間に厳しいという点では、休憩のためにカフェでコーヒーを飲んだり、PCを私用でつかったりするときは、労働時間から差し引くそうです。
法律規制や、国民性は急には変わりませんから、著者はドイツで見聞したものの中から、すぐに日本でもできそうなことを書いてくれています。
いくつかご紹介します。

・打ち合わせや会議はどんなに長くても1時間以内にする。
・出張報告書や打ち合わせのメモを書くときには、最も重要な内容だけを簡潔に記し、紙1枚ですませる。
・メールの送り先の数は、最小限にし、CCはやめる
・どんなに忙しくても労働時間が10時間を超えそうになったら、退社する。
・すべての社員がアクセスできる共有サーバーを作り、誰が見てもすぐに業務を担当できるようにする。
・生活リズムを朝型に変更し、1日を有効に使う。
・9時から19時までの間は、タバコやコーヒーの休憩や無駄話、個人のネット閲覧を極力減らして仕事に集中し、なるべく早めに退社する。
・仕事の効率を引き上げるには、スポーツによる健康管理が重要。週に1度は、必ずジョギングや水泳をしたりフィットネスクラブに行くようにする。

 

いかがでしたか?カフェでのコーヒーとか労働時間から差し引くというのはすごくきっちりしています。いずれにしても、今1時間半でしている仕事が1時間でできるようになればいいですね。なんとか、効率を高めたい、しなくてもいい仕事をはっきり見極めたいものです。

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