たまたま入ったラーメン屋でとてもびっくりしたことがあります。
外に食券の自動販売機があります。
入るとすぐ大きな座席配置図があって、空席がひと目でわかるようになっています。
椅子は固定でしかも一席ごとに両側に仕切り壁がついているのです。
目の前には、のれんがあり、中は見えません。
店員さんの姿も顔も見えません。
席にはオーダー用紙がおいてあります。
味の濃さ、こってり度、にんにくの有無&量、ねぎの有無&量、チャーシューの有無、秘伝のたれの量、面のかたさの各項目について自分の好みを記入し、席にある呼び出しボタンを押して店員を呼んで用紙をわたします。
テーブルにあった名刺大四つ折のチラシからちょっと抜書きしてみます。
世界初!味集中カウンター
食べるときの顔が誰にも見られない半個室の席で、周りを一切気にせず、味だけに集中して召し上がって頂けます。また、声を出さず替玉や追加注文ができるので、女性一人でも人目を気にせず思う存分食べて頂けます。味わうことを究極に求めた環境です。
「味集中システム特許出願済み」
さらにびっくりするのが割り箸の袋です。
追加注文のメニューがいっぱいあって丸印をつけてボタンを押し、従業員にお金を一緒にわたせと書いてあります。とことん口をきかなくてよいような仕組みになっています。
箸袋に印刷されている追加メニューは
替玉150円:超かた・かため・基本・やわめ、超やわ、半替玉(半分量)100円、追加ねぎ(4倍量)100円、追加チャーシュー(3枚)150円など計9品目あります。4倍量とか3枚とか細かく書かれています。「どのくらいあるの」とか聞かなくてもわかるようになっているのです。
これは前項の「だんだん得する券」とは違い、ずいぶんお金がかかるシステムです。
その甲斐があるのかないのかわかりませんが、この徹底がすごいと思います。
私はこんな雰囲気でラーメンを食べようとは思いません。
にぎやかなところで、あっちこっちきょろきょろしながら、あるいは友達とビールを飲みながらラーメンを食べる方がすきです。でも、こんなスタイルで食べるのが好きな人は、ここにはまってしまうだろうなあ、と思います。そして、こんな店はきっとあまりない。
ニッチな市場を自分で作り出して成功している例でしょう。