ロッサー・リーブズ著 海と月社 

 USPとは、直訳すれば独自な売りの提案です。そして、この言葉を世の中に広めたのが本書の著者であるロッサー・リーブズです。そして、本書は、販売促進の古典的な名著です。本書の初版が1960年ですから、内容には若干古いとか自社に合わないと思われるものもあるかもしれません。たとえば、「広告」ということばがあちこちに出てきますが、「広告」という言葉がぴんとこない会社も多いでしょう。「広告」の代わりにチラシ、ホームページ、電話での営業、訪問営業、DMなどで置き換えて考えれば使えるものがでてきます。

USP、ユニーク・セリング・プロポジションとは、独自の売りの提案のこと、それには、次の3つのポイントがある。

①広告はすべて、消費者に対して提案をしなければならない。単なる言葉や、単なる製品礼賛、単なるショーウインドー的広告ではなく、読む者にこう言わなくてはならない。「この製品を買えば、この便益(ベネフィット)が手に入ります」

澤根コメント⇒このベネフィットは、たとえば、品質、サービス、価格。あるいは納品までの時間。安いのを買う人もいれば高いのを買う人もいる。さらに、同じ人で、ある商品では安いものを買うが、他のあるものでは高いものしか買わない人もいる。10分で髪を切る散髪屋さんはかかる時間の短さを売り、高級な美容室は、高級感ややすらぎなどを売る。では、自社では何をお客様に提供するのか?とても基本的な問題です。すぐに答えを出し、今すぐに使っていかなければいけない問題だし、ずっと考え続けなければいけない問題です。

②その提案は、競争相手が示せない、もしくは示さないものでなければならない。それはユニークでなければならない。すなわち、そのブランド独自のものであるか、その分野の広告ではなされていない主張であること。

澤根コメント⇒①だけでも結構むずかしいのですが、②になるともっとむずかしい。中小零細企業でも本当にユニークなものを販売しているところは多いでしょう。でも、なかなかできることではありません。

 そこで、ひとつひとつの商品、サービスはユニークではなくても組合せでユニークになるものを考えてみましょう。テレビショッピングで、いろんなものをセットにして売るやり方、あるいは、本屋さんで、文庫を出版社ごとにならべるのではなく、作家ごとに並べるなど。あるいは、パッと見た目では違いは判らないが、実は違っている点を強調する方法もあります。以前は、ワインで「無添加」というのは、裏の方に小さく書いてあるだけだったと思いますが、今は、表に大きな字で書いてあります。使い方の提案によって、ユニークになるものもあります。ある暖房機器は、あまり売れなかったのですが、トイレでの使用を提案したら売れるようになったという話もあります。

③その提案は、数百万の人々を動かせるほど強力でなければならない。すなわち、製品に新規顧客を引き寄せられるものでなければならない。

 ここはさらにむずかしい。数百万と思うと何もできないので、気にしないでいいでしょう。