クリス・アンダーソン著

NHK出版 1890円 350頁

書名のフリーとは、無料のことです。本のテーマは、無料からお金を生み出すことです。

著者は今日のもっとも興味深いビジネスモデルは、無料からお金を生み出す道を探すところにあり、すべての会社が、フリーを利用する方法や、フリーと競いあう方法を探さなければならなくなると言っています。

自分の事業は、フリーを使うことができるかどうか、現在フリーの商品サービスがあるかどうか、作れるかどうか、そして、フリーを通じて、有料の販売に結び付けていけるかどうかを考えながら読んでいただきたいと思います。

 では、ほんの少しだけ内容を紹介いたします。

 商売で使われる無料には多くの意味がある。たとえば、「ひとつ買えばもうひとつはタダ」というのは、二つ買うと半額になるという意味だ。無料のおまけには、本体がおまけのコストを負担しているという意味がある。送料無料は、商品の価格に送料が組み込まれているという意味だ。世の中には、100万種類のフリーがあるが、大別すると4つのビジネスモデルに分かれる。①②は、以前からあるものが進化したもので、③④は、ネット社会と共に登場したものだ。

①直接的内部相互補助:顧客が無料を入り口にして、何か有料のものを買うことを期待している。

無料なもの:消費者の気を引いて、他のものも買ってみようと思わせる商品ならなんでも

無料対象者:結局はみんなが、なんらかの方法で喜んで金を払う

例:電気屋でやる無料のパソコンショップ、スポーツクラブの無料体験、お試し商品無料

②三社間市場:広告収入でまかなう

無料なもの:コンテンツ、サービス、ソフトウエアなど

無料対象者:誰でも

例:テレビ、これに広告主と消費者がからむ、yahooなどのネット上のサービス

③フリーミアム:無料と有料のバージョンがある。

無料なもの:有料のプレミアム版に対する基本版

無料対象者:基本版のユーザー

例:ソフトの基本版を無料で、プレミアム版を有料にする。ひとりの有料ユーザーにつき、19人の無料ユーザーがいる。ネットでは、コストが無視できる程度に安いのでやっていける。

④非貨幣市場

無料なもの:対価を期待せずに、人々があげるものすべて

無料対象者:誰でも

例:大学のオンライン無料講座、本を交換するサイト(ペーパーバック・スワップ・ドットコム)

 以上が4つのビジネスモデルである。

 無料に関しては次のルールがある。

1.デジタルのものは遅かれ早かれ無料になる。

2.無料化は止まらない

3.遅かれ早かれ無料と戦わなければならなくなる

4.低い追加コストで伝達できる情報は無料になりたがり、追加コストの高いものは高価になりたがる

 いかがでしたでしょうか。ほんとにさわりだけですので、わからなくても当然ですが、無料のサービスが重要になってきたことがわかり、これから自分の事業でも無料のことを考えなければいけないかなと思っていただければ幸いです。

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