村田裕之著

日本経済新聞出版社 1,728円  254頁

シニアを対象としたビジネスが注目を浴びています。他業種がシニアビジネスを始めようという動きも多いようですし、新規開業者も多いようです。いつものように、興味深いところをかいつまんで紹介します。

 

★40歳代以上の方には「ノスタルジー消費」が起きやすい:復刻版CD・DVD、映画のリメイクなど。代官山の蔦屋書店にはこれらのものが豊富にある。

★シニアのネット利用率は、上昇する:今の50代は、10年後には60代。60代でのネット利用率は90%になる。

★シニアにとって消費の優先順位が高いものは「不」の解消のための消費。「不」とは「不安」「不満」「不便」であり、「不安」のうち「健康不安」「経済不安」「孤独不安」が上位を占める。

「不」がたくさんあるのは飽和市場。飽和する原因は、リピーター客が増えないためだ。増えないのは、既存の商品・サービスに不満だからだ。

★シニアビジネス発想の切り口

1.子供・若者向けの商品が大人・シニアに売れないか:紙オムツは従来乳幼児向けの商品だった。しかし、ユニ・チャームでは、乳幼児向けの売上が1400億円、大人向けが1600億円。ロッテは、ヒット商品の「雪見だいふく」から「大人の雪見だいふく」を売り出して成功。

2.シニアが子供時代に親しんだもののリバイバル:リカちゃん人形ではおばあちゃんを登場させた。かつてリカちゃん人形で遊んだ世代に孫と一緒に遊んでもらおうという発想。学研は、「学研の科学」から「大人の科学」に。

3.異なる世代と組み合わせられないか:高級ホテルの椿山荘東京では、「孫と一緒にクラシックを家族で楽しもう」というディナーコンサートを開催。高齢者に孫と楽しむ機会を作り出した。東京ディズニーリゾートでは「3世代で楽しむ東京ディズニーリゾート」という宿泊付きプランを発売。

4.海外で売れているものが日本でも売れないか:ダスキンが2000年5月に始めた「ホーム・インステッド」というサービスは、アメリカのホーム・インステッド・シニア・ケア社と提携した高齢者向けの在宅ケアサービス

5.制度導入・規制緩和で生まれる機会を探す:ベネッセコーポレーションは、有料老人ホーム事業で業界最大手に成長。シニア向け事業がベネッセグループの稼ぎ頭になりつつある。学研は、「サービス付き高齢者向け住宅」制度が2011年に開始したのをきっかけにこの業界に進出、わずか数年でこの分野での大手になった。

 

以上、いくつか挙げてみましたがいかがでしょうか。とにかくシニア人口が増えるのですから、すべてのビジネスがシニアビジネスになるといってもいいのかもしれません。

そうだとすると、チラシの文字は大きくないといけなし、ネットのホームページも字を大きくしないといけない。その点、新聞は先進的でしたね。紙面の文字が大きくなったのはずいぶん前です。

今やっている仕事、どこに目をつければシニア向けになるのか、ちょっと毎日の仕事の手を休めて考えてみましょう。