門倉貴史著 209頁 幻冬舎新書


筆者は、VISTAを提唱したBRICs経済研究所の主催者です。
VISTAとは、ポストBRICsの有力グループで
ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンの
5カ国をいいます。

BRICsとは、ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国のことです。
1980年代にもNIES(香港、シンガポール、韓国、台湾)
ASEAN(東南アジア諸国連合)の台頭がありましたが
これらと大きく違う点は、27.5億人という人口と経済規模です。
世界経済に与える影響力が違うのです。

その影響をピックアップしてみました。

コーヒー
中国でのコーヒー需要が伸びている。
それにともなって輸入も伸びていて、次のシミュレーションが出ている。

2005年  25,980トン
2010年 70,730トン
2015年 247,650トン

世界最大のコーヒー豆の産地はブラジルである。
人々の生活水準がそれほど高くなかったという事情もあって
これまでは品質の高い豆は輸出していたが、生活水準があがってきて
品質の良いコーヒーの国内消費が高まっている。

インドは、紅茶の国として有名だが
都市部中産階級のコーヒー消費が急増している。

という事情でコーヒー豆の値段は引き続き上がる。

さらに、ベトナムは世界第二のコーヒー産地であるが
コーヒー豆の高騰によってコショウ農家がコーヒー農家に
転作することがおおくなった。

ベトナムは世界最大のコショウ生産国で
全世界のコショウの3割がつくられている。

コショウの国際価格も高騰している。


欧米では健康食ブームから寿司の人気が高まり、魚の需要が増えている。

BRICsでは、生活水準の向上によって
1992年から2005年までの間に魚介類消費量は1.9倍になっている。

約27億人という巨大な人口を抱えるBRICsで
魚介類が本格的に消費されるようになると
世界的に魚不足の問題が深刻化する。

サバ:ノルウェー産のサバは日本が大量に輸入している。
欧州では、魚食文化が急速に広がり
ノルウェー産のサバの値段が上昇傾向にある。

ウナギ:中国産のウナギに警戒感が強まり
国産ウナギの需要が高まっている。
その結果、国産ウナギの値段が上がっている。

マダコ:最大資源国のモロッコでは
資源保護のためマダコの捕獲規制を強めている。
その結果、日本の輸入量は5年前の10分の1になり、価格が高騰している。

石油
1990年代には1バレル(159リットル)20ドルだったのが
2007年には80ドルを超えた。

イランの核開発疑惑が招く供給不安、ナイジェリアの内戦の影響
BRICs各国の石油需要の急増などが原因となっている。

石油に関連して、ティッシュペーパー、カップめん
ダンボールなどの値段も上がっている。

オレンジジュース
ジュースが値上がりしている。オレンジ果汁などの主要産地ブラジルで
栽培農家がサトウキビに転作している。

原油の代替燃料であるバイオエタノールの需要が拡大し
原料のさとうきびの価格が高騰しているのが原因。

また、BRICs各国、とくに中国とロシアで
ジュースの消費量が伸びている。

サトウキビへの転作で、大豆、かんきつ類、コーヒー
などの収穫量が減少し、国際的な食料価格の上昇の一因になっている。