ドミニク・J・ミシーノ著 フォレスト出版


NYPDはニューヨーク市警のこと、著者はその交渉人だった人です。       人質をとって立てこもっている人に、「銃を捨てて出て来い」という人です。
彼が言うには、交渉人の最初の仕事は、犯人との間に信頼関係を築くことだそうです。
警察が犯人との間に信頼関係を築く、これはたいそうな問題だと思います。
売る人と買う人の間の信頼関係でさえなかなか難しいのに、 お互いに銃を向け合って、もしかしたら引き金を引かなければいけないという 状況にあるのです。
犯人との間に信頼関係がもてるのなら、顧客との間に信頼関係を築くことなどわけのないことに思えるでしょう。
そう思いました。


著者もそう考えて、 ニューヨーク市警をやめて交渉術についてのセミナーをするようになりました。
いくつか、交渉の際のポイントを紹介します。

基本的な三つの役割
交渉チームには3つの基本的な役割がある。       「交渉役」「記録係」「指揮官」の三人で行うのが理想的だ。 しかし、一人で交渉する場合でも、常に各役割を忘れない。

交渉とはちょっと違いますが、これは、小さな会社でもそのまま使えます。

たとえば、こんな感じです。       社長には三つの基本的な役割がある。       営業と製造と経営だ。
それぞれに幹部がいる場合には幹部としっかり連絡をとる。
いない場合には、社長が意識して、       一人でその三つの役割を忘れないようにしなければならない。

まずは相手にしゃべらせろ
「話をすすめるベストは、相手にとって何が重要かを尋ねることだ。」 そして、ステレオ店のセールスマンの例をあげます。

ちょっと長いけど引用します
あなたがステレオ店のセールスマンだとしよう。 そこへステレオを買いたい客が現れる。
彼女には特に心に決めた機種もなく、 あなたはどれについて話を進めていいのかさっぱりわからない。

だがここで、XYZ社の最新モデルをはりきって売り込むのではなく、彼女に必要なものを尋ねることが信頼を築く第一歩になる。
音楽はどのくらい聴くのか、同じ部屋でDVDも見たいのか、 といった質問を行うのだ。

相手の話を聞くということは、本のあちらこちらで出てきます。

ミラーリング
聞くという動作の中で大切なのがミラーリングです。       相手の言葉を繰り返すのです。
そのことによって、相手のことばをきちんと聞いていることを相手に伝えることで、相手との信頼関係を築くことに役立つ

 

 

 

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