景気

日本銀行岡山支店8月1日発行の『岡山県金融経済月報』を見てみましょう。
「概況:県内景気は、一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかな回復基調を続けている。最終需要面をみると、個人消費は、一部に弱めの動きがみられるが、底堅く推移している。設備投資は、持ち直している。住宅投資は、弱含んでいる。公共投資は、緩やかに減少している。輸出は、減少している。こうしたもとで、県内主要製造業の生産は、下げ止まっている。雇用・所得環境は、着実に改善しているが、先行き生産活動の低下の影響が懸念される。」

要するに、よくも悪くもないということでしょうか?
自分の感覚と合っていますか?

「どの業種がいいのか」とお客様に聞かれることがあります。
帝国データバンクのウエブ・サイトに業界動向が記載されています。
動向が天気で表現されているのですが、雨、薄日、曇りがほとんどで、晴れは、ソフトウエア、ネット広告、コンビニ、ドラッグストア、人材派遣くらいです。

私の感覚では、同じ業種であっても良い会社もあれば悪い会社もあるように思います。
ネット通販の会社でも、良い会社とそうでもない会社があります。他の業種でも同じです。

先が見えないのは、ずっと前から同じです。
先が見えたことなどないのですが
先が見えないということを最近はよく聞きます。
不安感が増してきているのだろうと思います。
こういうときは、地道な努力を継続して、新規のお客様を獲得し
既存のお客様を大切にし、新しいことをし続けることが大切だと思います。

英国EU離脱

英国EU離脱の開票結果を受けて、日本では円高・株安が急激に進みました。
その後状況は落ち着いているように見えますが
これでは収まらない可能性が高いと言われています。
『日経トップリーダ』8月号の記事
「中小企業にも及ぶブレグジット(英国EU離脱)の余波」
の内容を要約してご紹介します。

1.円高の影響:輸出が減る
2.円高の2次的な影響

輸出依存型の大企業と取引がある中小企業は、受注単価下落や受注減に直面する恐れがある。精密鏡面加工を手がけるTDCでは、直接に輸出もしているが、国内顧客の多くも輸出依存型企業であり間接輸出比率は80%に達する。円高基調が続けば、取引先の業績悪化がTDCの売り上げ減少につながる可能性がある。TDCでは、販路開拓や加工代の値上げを検討している。

3.世界経済の先行きに対する不透明感の広がり

経営者の攻めのマインドが低下する。「英国のEU離脱で欧州景気が悪化する。欧州に依存する輸出産業のみならず、円高の影響で機械、繊維機械、建機などの製造業、それに連なるサプライヤーへの悪影響は避けられないと、心理的に厳しい」

★対策

業務用小型プリンター製造のスター精密社長は
「9月から始まる下期は対前期売上2割減という前提で事業計画を組む」と言っている。
国内取引中心の企業も生産性向上や研究開発、販路開拓などの基本をしっかりと推し進める。
小売やサービス業でも考え方は同じだ。外部環境に左右されない強い企業体質を作り上げる。

以上簡単に紹介しましたが、景気の悪化に備え、基本をやっておけということでしょう。

『中国4.0』

エドワード・ルトワック著  奥山真司訳 780円+税 206頁
著者はアメリカの国防省の官僚、軍のアドバイザー、国家安全保障会議のメンバーを歴任した戦略家、歴史家、経済学者。ざっと内容をご紹介します。

★3つの真実

1.意思決定の集約化

中国13億人の意思決定が中国共産党政治局常務委員会の7人の意向で決まる。さらにそれが習近平一人の手に委ねられつつある。これが恐ろしいのは、判断ミスがあってもそれが訂正されないことだ。例を挙げると、内政では、汚染、健康被害という問題が起こっているにもかかわらず最速・最大限の工業開発を追及していること。破滅的な「反腐敗」運動を含む「改革」を、あまりにも一気に急激に行っていること。外交では、領土紛争の開始・再開である。

2.日本の離島防衛

習近平が誰にも相談することなく、尖閣諸島の占領を軍に対して突然命じることがありうる。日本は、中国に対する警戒を怠らず、日本の離島を守るための実際的かつ現実的な準備を誰の助けも借りずにしておかなければならない。

3.世界の文化と人道的な徳の受容が進んでいる

13億人の中に狂信的な共産主義者はわずか。単に富だけでなく人道的な徳を求める人々も増えている。中国の人々は現在の共産党よりもはるかに進んだ存在である。われわれが心配すべきは短期的な展望だけである。

次に、中国1.0から3.0を見ていくが、中国は戦略の下手な、極めて不安定な国である。
それに対して周辺国は、すべての国に当てはまる戦略の論理を見極め、冷静に対処していかなければならない。

★中国1.0:平和的台頭 2000年~2009年

平和的台頭の時代であり、北京のメッセージはふたつあった。ひとつは、「中国はさらに豊かになり近代化し、経済規模は日本を越えて、アメリカに迫る」であり、もうひとつは、「どの国も、中国経済の台頭を恐れたり、反発したりする必要はない、中国の台頭は完全に平和的であり、また既存の権力構造を変化させず、国際ルールにも従うからだ」。この段階で、中国は反発を受けることなく、外界の荒波にもまれることなく、まるで琵琶湖のような、穏やかな湖にたとえられる国際環境を漕いでいけることを熟知していた。

★中国2.0:対外強硬路線 2009年~2014年

この時期の中国には3つの錯誤があった。

1.金は力なり

経済力と国力の関係を見誤った。金は力なりという非常に視野の狭い、反知性的で短絡的な考えに囚われ、外交でも経済力を使えばごり押しできると考え、大きな間違いを犯した。

2.線的な予測

中国が上がって、アメリカが下がると直線的な予測をした。彼らは直線的なトレンドが長続きしないという歴史の真実を知らなかったのだ。

3.大国は2国間関係を持てない

中国が弱小国に圧倒的な立場から交渉を迫れると考えたが、これは間違いだ。弱小国はいつでも他の国と関係を持てるからだ。

★中国3.0:選択的攻撃

2014年の秋に中国2.0が間違いであることに気がついた。太平洋を中心とした地域に反中国同盟が結成されてきたからだ。そこで中国3.0を始めた。それは、抵抗の無いところには攻撃に出て、抵抗があれば止めるという行動だ。フィリピン、ベトナム、インド、日本との関係において失敗している。
外交に失敗するのは、内向き国家だからである。