『絶対もうかる値上げのしくみ教えます』石原明著

ダイヤモンド社1,600円+税 236頁

著者は経営コンサルタントです。値上げこそが正しい経営手法であり、値下げは最悪な経営手法であると言っています。低価格戦略は大企業しかできない、中小企業は安売りに走っても勝てないから参加してはいけないと主張しています。コンサルタントをしている顧客の9割に値上げを提案し、その効果で売上と利益が格段に上昇した会社がいくつもあるそうです。それでは、本書に書かれた値上げの方法をいくつかご紹介します。

★経営相談に来られた会社に対して著者が行う指導は「とにかく即値上げしましょう」だ。

★お客様はアプローチ次第で富裕層にも庶民にもなる:安いですよというセールスは、お客様を庶民にする。

★最初は「値段」だけを上げる:値上げに伴って、今の商品やサービスの品質を上げたり、新たなサービス内容を加えたりするのを極力しない。

★BtoB(顧客が会社)、BtoC(顧客が消費者)どちらでも値上げができる。BtoBの方がむずかしいという方がいるがそんなことはない。

★値上げは、新規の顧客に対して、商品やサービスの「説明の仕方」を変えて行うことからスタートするのがベスト⇒既存客への値上げは当分据え置く。

★説明は、商品やサービスの価値を強調する。

価値には「一般的な価値」と「顧客特有の価値」の二つがある。

★一般的な価値

自社に当てはまる要素があれば、間違いなく高く売ることができる。あるかどうか、考える。
・手間暇をかけている
・数が少ない、めったにない、作れる人が他にいない、育つまで時間がかかる
・専門家がいる、選んでいる
・長い歴史を持つ、代々続いている
・上位の人、歴史上の人物や有名人、著名人が愛用している
・ネットで流通していない
・実際に行ってきた、見てきた、遠くまで行って取ってきた
・特許がある
・開発の秘話がある
・裏付けを○○がしている
・長年使っても劣化しない
・何万回もテストしている
・メンテナンスの保証がすごい
・緊急時の対応が突出している

★顧客特有の価値

各顧客が個別に求めているものが顧客特有の価値であり、これを把握することでさらに高く売ることができる。目の前にいる顧客だけの価値だったり、ある程度人数を広げた価値だったりするが、「それは何か」を常に考える。

★簡単に実行可能な20~30%値上げの方法

・値上げの敵は顧客ではなく、自社の値上げできないという思い込みにあると知る
・単純に一律で20%~30%値上げする
・商品ラインナップを増やし、今の商品を下位にして、中間と上位に商品を並べる、突出して高い商品を作る

さて、値上げの敵は顧客ではなく、経営者や社員の値上げできないという思い込みだということについてどう思われますか?とにかく即値上げできそうなものはありますか?

土地の寄付

山林を持っていて処分に困っている人がいるそうです。固定資産税や維持費がかかる。買い手がなかなか見つからない。只でもいいと市町村に寄付を申し込んでも受け付けてもらえない。

日本ナショナル・トラスト協会というNPO法人

があります。ここでは、土地の寄付を受け入れています。ホームページを見ると次の文章が載っています。
「お持ちの山林や原野などを自然のまま残したいという方から、土地のご寄付を受け入れています。
・トラスト地として保全する土地
・先祖代々大切にしてきた森など、残していきたい自然地
・野生生物のすみかとなっている土地
・広大な山林や原野
・すぐれた景観地」

同協会によると、岡山でも、二か所の土地が寄付されています。またホームページを見ると、多数の寄付が記載されています。全国での所有土地は100万㎡を超えているようです。

こういう状況を見てみると、土地、山林は、必ずしも財産というわけではなくなっているようです。私が以前受けた相談でも、不要な土地がある、何とか処分したいが、買い手がない。持ってもいても固定資産税ばかりがかかる、しかも草が生えたり、木の枝が伸びて隣から苦情が来るということが何件かありました。

土地の寄付を受け付けるという記事を見て、改めて世の中が変わっているのだという思いを強めました。他にもいろいろなものが変化していると思います。探してみましょう。

本当に強い地方企業ランキング

「本当に強い地方企業ランキング」というものがあります。日経トップリーダーと東京商工リサーチが共同調査して発表しました。その

第3位に岡山県美咲町の脇木工

という会社が入っています。以下、日経トップリーダ1月号の記事を要約してご紹介します。
脇木工は家具の製造小売り。直営店「モモ・ナチュラル」を東京や横浜などに10店舗展開する。1953年創業の家具メーカーだが、90年代に主力のタンスの販売が低迷したときに、先代社長が新展開を起こした。しゃれたデザインの家具シリーズを開発、カタログ通販への卸などを始めたのだ。それが、モモ・ナチュラルの出発点となる。

直営店の出店を始めたのは97年、軌道に乗ったのは2004年ごろ。「モモの家具が大好きで入社した販売スタッフと商品ラインアップの拡充が、成長の原動力になった」と脇社長は話す。店舗では接客力が重要。そのとき社員が商品の価値を伝えることが重要だが、社員が自社製品のファンなら説得力も備わってくる。

同社では、出店のスピードはあえて抑えている。スタッフに接客指導ができる店長が育つまでは、出店しない。店長に抜擢したい社員が出てきたら店を出す。社員に合わせて事業を作るのだ。それは、現在注力している新規事業についてもいえる。子供向けの家具や雑貨の通販サイトだ。

直営店の成長を支えた女性社員たちが子育て期に入り、店頭で働くのが難しくなっている。そこでネットショップに目を付けた。子供向けの商材なので、母親としての経験も生きる。社員に合わせるという点では、定年退職した社員の営んでいる農業も事業に組み込んでいる。